2010年 2月 10日(水)午後 10時 39分
生暖かな一日、夜のお出かけは、随分と迷った挙げ句に、いいもの見っけの気分で、シネ・ヌーヴォに行ってまいりました。現在、こちらの映画館では、「アジア映画の巨匠たち」と題して、アジア映画の上映会が行われており、そのシリーズで上映されているフィリピン映画「カカバカバ・カ・バ?」を見てきました。1980年の作品だそうです。東南アジアの映画が紹介される機会が出てきていますが、フィリピン映画は、まだまだ珍しい。紹介文を読んでいましたので、ちーとは、予想していたのですが、とってもとってもB級映画です。よくぞ、日本で紹介されたなと思えるほどのB級映画です。日本の親分に仕える日本人の子分が、密輸をしようと、何度か試みて失敗するところからスタートします。そして、ついに成功するのですが、手に持っていたカセットテープ(密輸品)を、税関を通る前の男のジャケットに放り込むことにより、持ち込むことに成功したのです。ですから、それを取り戻そうとする日本人子分とそのまた子分、中国人マフィア、謎の神父の一団を交えて、争奪戦が展開されます。ジャケットの持ち主やその友人たちは、変な人間たちにつけねらわれたりして、争奪戦に巻き込まれていきます。そして、その争奪戦が、ドタバタもいいところ。B級以下と言ってもいいでしょうね。役者も、ワンパターンで叫ぶだけという代物。おまけに、日本人をフィリピン人が演じるものだから、ハチャメチャ。日本語指導ということで、日本人スクリプターが付いているものだから、なじんだ日本語を舌が回らないで喋るものですから、とっても変。セットも変だしと、ハチャメチャ度は、うなぎ上り。わざとそうしている映画であることは、そうなんだけど、、、。悪のボスが叫びます。「俺は貧しかった。だけど、日本の技術のおかげで、麻薬を作り、それを、フィリピンの子どもの食べるパンに入れて、フィリピンを支配するようになれるんだ。だから、日本は、独裁者になれるんだ」と。中国人マフィアは、「日本なんて、もう古い、古い、古いんだ。もう、これからは中国だ」と叫びます。最終場面は、ジャケットの持ち主たちの活躍で、麻薬ばらまきは阻止されはしますが、それらをダンスと歌で表現していきます。歌の間の台詞であったり、歌の台詞に、上のような文句が出てくるのです。というような場面が出てくると、単なるドタバタ劇ではないのです。が、終わってみると、アホらしさが、まず残ってしまう映画でしたが、この映画を紹介しようとした方の勇気というか、洒落っけに頭が下がります。
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