2010年 5月 10日(月)午後 11時 49分
今日は、昼頃から雨、それとともに気温は降下。何か引っ掛けてないと寒いくらい。でも、出掛けには、そないなものを持たないで出たものですから、肌寒いなか、繁昌亭に行ってまいりました。今夜は、繁昌亭で「第21回育っちゃったらくご!」があったので、外すわけにはいかないのです。ロビーに入ると、お遍路帰りの南湖さんが、常連さんとしゃべってたので、ちょっと私も、無事の帰還を祝福しました。今日の番組は、三金「あぶない理髪師」、南湖「美しきタトゥー(出世の纏)」、遊方「彫刻の腕」、あやめ「植木屋ムスコ」、(中入り)、三風「下町の散髪屋さん」、たま「景清」というものでした。「散髪屋さん」特集ということで、それにちなんだもの、更に、技術・芸術へと敷衍化したネタが、今日は並びますた。月曜日だから、関係の仕事をされている人が聴きに気安かろうという趣旨だそうです。三金のネタは、三枝作品。ただ、三枝作品にしては、小ぶりな印象。夫婦喧嘩ばかりをしている散髪屋に、町内の嫌われ者を行かせ、あぶない目に遭わせようというもの。ちょっと筋の運びに強引さがあります。南湖は、題名を変えて、古典を演じました。遊方は、やはり飛んでます。美術展に展示されている作品の腕を折った男が接着剤を買いに走って行ってる間に、折れた腕が、本体の横に置いてある姿を見て、素晴らしい芸術作品と看た男は、腕が折れてあることを良しとし、また、その作品の製作者は、折れた腕に驚き、この男も接着剤でくっつけようとする。その三者が、腕をくっつけたり、また折ったりを繰り返すというドタバタ噺。二者ではなく、三者が入り乱れるとしたことが、成功のカギ。ただ、遊方の口演は、途中でごちゃついてしまい、大変惜しいことに、なってしまいました。あやめもさすがに、懐が深く、いろんなアイデアが出てきます。題名は、古典落語「植木屋娘」を連想させますが、内容は、一切関係なく、題名だけのパクリ。それを、予め断ってからネタに入りました。植木屋の名家に生まれた息子が、家業に関心を示さず、美容師になったため、母親が、知り合いの女に頼んで、息子の働いている美容院に行かせて、難癖をつけさせ、さて、息子は、どういう反応を示したでしょうかという噺。遊方とあやめのネタが、甲乙付けがたいおもしろさでした。三風のネタは、もう3回目くらい。そんなにいい印象を持ってなかった作品。断髪式に向かう相撲とりの、この商店街での思い出とかを、きっちりと描いていないとダメですね。あとからの断髪式に現れる人や、その話が、あまりに唐突過ぎます。断髪式での司会が、葬儀屋さんというのでは、小春日団治の「職業病」を連想させるので、バットしません。とまた、このネタに対する不満を書いてしまいましたが、何度もかけている内に、だいぶとくすぐりがきれいに入るようになっていおり、今日のが、一番聴きやすかったことも事実です。問題作は、たまの「景清」。もう噺が変わっています。「景清」と題名をすること自体、抵抗を感じてしまいます。母親の目が、定次郎の目にするなら、もっと母と定次郎のエピソードを入れなくっちゃと思います。元来、落語的な荒唐無稽さがある噺ですが、たまの改変は、親子関係で閉じてしまい、噺自体が、落語的じゃなくなり、小さくなってしまったという印象でした。
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