2010年 6月 18日(金)午前 0時 16分
昨日は、高校時代の友人と、久しぶりに呑みました。タイ料理などを肴にしながらです。そして、今日は、とっても蒸し暑い一日でした。この夏になりかけ一番の蒸し暑さでした。相変わらずの寝不足のまま出勤した体には、かなり堪えましたが、明日からは、週末に入り3連休となりますから、もうこちらのものです。今夜は、ワッハの4階であった「らくご道〜笑福亭生喬と桂こごろうの落語会〜」に行ってまいりました。番組は、生喬「青菜」、こごろう「鴻池の犬」、(中入り)、生喬・こごろう「対談:夕焼け日記」というもので、落語の口演はもとより、後半の対談で、二人が話すネタあれこれが、とっても楽しみな会なのです。まず、生喬の「青菜」。これは、内弟子明け、初めての出稽古で、呂鶴から教わったもの。ちょうど、師匠の松喬が、落語を食べる会をやっていて、この「青菜」を食べる会が企画されたが、松喬一門には、「青菜」をする者がいないということで、生喬に行ってこいということになったとか。呂鶴には、あと「ちしゃ医者」をつけてもらっているそうです。生喬は、松葉に稽古をつけてもらうつもりで、「軽業」を教えてもらうことになっていたところに、この企画が出てきて、二つは同時にできないので困っていたところ、ちょうどこの時期に、松葉が検査入院をしたために、稽古に行く時期がずれたということなのだが、もう松葉の最晩年のこと。結局、松葉からは「軽業」の後半だけをつけてもらったそうです。前半、即ち「もぎ取り」までは、米之助につけてもらったと言ってました。呂鶴は、丁寧に、辛抱強く、ネタをきっちりつける人だそうです。逆に、普段の柔和な人柄の松葉が、厳しい人だと言ってまし。あと、松喬の下での内弟子時代には、9つのネタをもらったと言い、そのネタ全部を、さらさらと言ったのですが、早口過ぎて、よく分からなかったのが惜しまれます。生喬の「青菜」は、5人の登場人物が、きれいに描き分けられており、それがきっちりと、客のイメージ・ポケットに入り込んでいますので、定番のちょっとくさめのくすぐりも、あざとさとかを感じさせない気持ちのいい高座だったと思います。一方の「鴻池の犬」は、「わんわん連合」「骨吸い」が入りますから、千朝伝来ということは、丸分かりでしたし、対談で、こごろう自身、それを言っていました。そして、そこから、千朝落語について、話題は広がっていきました。あの一字一句まで、丁寧に語る口調の解明です。こごろうは、それを実演をしてくれました。間の取り方で、こごろうなんかが演じるときと、所要時間は同じだそうです。そういった手法で、感動を伝える、もう名人としか言い得ないとまで、こごろうは言ってました。実際、「千朝落語を聴く会」の動員力は、半端ではありません。千朝のリタイアの話にも及びましたが、千朝は、落語界を離れていた時期もネタを繰っていたはずとのこごろうの発言に、会場はどよめきました。で、肝心のこごろうの口演は、ナイスなもので、千朝仕様のくすぐりだけではなく、オリジナルなものも用意しています。こういった工夫を、どのネタにも織り込んでくれるこごろうに支持が集まるのは、当然の帰結かなと思います。
|