2008年 9月 8日(月)午前 5時 49分
金曜日と土曜日と、2日連続、まっすぐ帰ることとなりました。この土日に、彦八まつりがあったもので、当日はもちろんのこと、前日の金曜日から、ちょっと落語会は控え気味。体調が、極端に悪かった日とも重なり、いい休養となりました、とまあ、この時間になってからようやく言えることであり、ホント、きつい週末でした。土曜日は、全日勤務。昨日の日曜日も、午後、振替ありの出張で、堺まで出かけねばならないというときに、体調を崩し、ようやく夕方くらいから、本来の姿に戻りつつあります。ようやく、これで、新たな1週間、やっていけるかもの気分です。
金曜日はラッキーなことに、TVで、米団治襲名を記念してでしょうが、米朝に焦点を当てた番組を観ることができました。吉朝の最後の高座「弱法師」の音声が流れましたが、元気なときに太融寺で聴いたネタであっただけに、沈痛な気持ちとなりました。枝雀、吉朝だけではなく、米朝の弟子には、夭逝した噺家が、他にもいます。先代歌之助、米太郎、孫弟子には、音也、喜丸、、、それぞれ、真面目に、真面目に落語を追求してきた噺家さん、取り上げられなかった噺家さんにも、黄紺は思いを馳せながら観ておりました。
土曜日は、一旦、仕事が終わったあと、駆け足で彦八まつりに行き、「奉納落語会【夜の部】〜小米朝改メ米団治襲名プレ公演〜」に行こうとしたのですが、黄紺が行ったときには、完売の札が出ていました。そのようなことがあるかもとは思っていたのですが、やっぱりの感、残念至極であるというか、仕事が、こんなところに入ったことを呪うしかありません。
昨日、日曜日は、午後から堺まで行かねばなりませんでしたが、午前中は空いているということで、心斎橋シネマートで映画を観ました。シンガポール映画「歌え、パパイヤ」という映画を観に行ったのです。で、この映画ですが、地肌を見せたシンガポールっていうところで、黄紺は、とっても気に入りました。陰暦7月には、各地で、「歌台(ケータイ)」という歌謡ショーが開かれる習わしがあるそうです。60年代くらいまでは、伝統的な芝居を演じて、あの世から帰ってきた霊魂を慰めていたのが、時代の流れから、歌謡ショーへと様変わりしたそうです。ま、日本のお盆ですね。その歌台の歌姫になることを夢見た女の子二人と、そのマネージャー役のおばさん、その息子の奮闘物語です。物語は、とってもくさく作ってあります。端から、くさくくさく作ることを旨とした筋がね入りのB級映画です。それを心得てか、字幕では、おばさんのところは、大阪弁で出されていました。やりますね、ホント。それに、何がいいと言って、シンガポール歌謡が、ふんだんに聴けるのが、ホント嬉しいのです。こないな映画、もっともっと日本に紹介してほしいな、そう思いました。
堺からの帰り、90%はダメやろなの気持ちで、彦八まつりに寄ってみました。「奉納落語会【夜の部】〜つく枝改メ文三襲名プレ公演〜」があったからです。そしたら、予想に反して、簡単に入ることができたのです。どうやら、チケット発売時間帯に、雨が降ったようなのです。それで、売れ行きが伸びず、黄紺は10分前到着なのに、余裕で入ることができたのです。とってもラッキーな話です。前座は、こういった席にも、出番がもらえるようになったのですね、ぽんぽ娘で、「寿限無」、言葉もハキハキ、体の動きにも気づかいがあり、予想以上の出来。一度、テレビで観たときに比べて、格段の進歩です。ちょっと、タイプが、団姫に似た感じに仕上がってきました。二番手に早くも、坊枝で、「文枝が、よくやってました」という言葉を置いて「天王寺詣り」でした。もちろん、マクラでは、お約束の辛口のつく枝評を含めて、襲名について、一言以上のコメント。中トリは、文太で、なんとも珍しい「百人坊主」、文太が、このネタを手がけるのも知りませんでした。行き先は、「お山」と言ってましたから、東京ネタの「大山詣り」からの再移入版なのかもしれません。頭を剃るのも、寝ている熊五郎の知らない内となっていたり、その熊五郎が、籠で一団を追い抜いたりと、常の「百人坊主」と異なる箇所が、幾つかありました。ネタの展開がおもしろいところに、文太の巧者ぶりが発揮されますから、客席がわかないわけはありません。中入り明けに、襲名についての座談会がもたれました。司会が、坊枝で、出席者は、つく枝当人、それに、兄弟子の、文福、小枝で、襲名へのやっかみや、つく枝の人となりで盛り上げ、最後は、目立つことには抜け目のない文福の相撲甚句で、今回の襲名を寿ぎました。そして、トリは、当然、つく枝で、これだけは止めて欲しかった「宿替え」、釘を打つところからでした。私は、この人の爆笑系の噺にはなじめなくて、止めて欲しかったのです。なんでかと言いますと、早口になりすぎる、高めに保たれるテンションのわざとらしさが嫌なんです。坊枝、文太と、大ネタが続いたので、同様のネタを期待したのですが、外されました。終わって、つく枝が引き上げようとすると、ざこばが登場、またぞろ、出演者を呼び集めて、長話しになりそうなところを、文福が、大阪締めを提案して、さらっと終わり、お開きとなりました。
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