忙中閑あるかな? 黄紺の日々


トルコのこと、キプロスのこと、こんなことを主に、日々思うこと。ときどき、韓国のこと、 日本のことも混じるかも? 仕事に忙しくっても、頭のなかは、トルコのこと、キプロスのこと考えてる。 頭のなかは、いたって長閑。それが、、、、、、

黄紺、なのさ。



2009年 10月 23日(金)午後 11時 2分

 今日は、芝居の日です。若い劇団探しの一つで、何かしら期待できるかもと狙いを定めてチョイスした劇団「ミジンコターボショートショートvol.4」の公演を見て来ました。芸術創造館というスペースに、先日行って来ましたが、今日も、初めての場所で、芝居を見ることになりました。場所は、應典院というところです。不思議と行ったことがなかったのです。この劇団は、竜崎だいちと片岡百萬両という二人の劇作家を抱えているようで、今日は、その後者の作品を上演したもの。「お母さんがゾーマ!!」という作品で、内容は、たわいないというか、よくある話なのだが、味付けで楽しませてもらえたなというところです。ただただ自分の感情の赴くままにが なり立てる母親に呆れ、また、半ば愛想をつかし、夫は、家を出ます。また、娘は、家で、4連休をファミコン三昧で過ごしながら、部屋にこもっているために、母親は、部屋の外からがなり立てるばかり。その姿と、ファミコンの中身の冒険物語が重なりながら描かれるというもの。それが、楽しませてくれるアイデアというやつ。そのファミコン・ソフトが、ドラクエ3ときてるものだから、懐かしいのよねぇ。常に、ドラクエ3の音楽に重なりながら、物語が進行するものだから、それに引き寄せられてしまいました。まあ、それだけなんだけど、次回の公演も押さえようの気になっちゃいました。単純ですが、楽しくて、ちょっとはおもしろいという気分にさせてくれるものを、むげにうっちゃらかしてはいけません。それに、次回公演は、竜崎だいちの方の作品だそうですので、こちらの方も見ておかなくっちゃの気分です。ただ、役者がもう一つです。基本である声が出ていない役者さんも見受けられましたし、大きな声を出せばいいと、キーキーと、とてつもなく聴き苦しい声を出す役者さんもいました。その辺は、始まれば、すぐに判りますから、最初は外したかなの気持ちで見始めていたのですが、徐々に変わっていきました。




2009年 10月 23日(金)午前 6時 29分

 一昨日は、まっすぐ帰った日。それに対し、昨日は、仕事が押して押して、チケットを買ってあった繁昌亭に、なかなか行けず、正直困ってしまいました。6時半開演のところ、晩ご飯も食べずに、繁昌亭に到着したら、もう7時を、ほんの僅かでしたが回ってしまっていました。で、昨日は、繁昌亭で「桂都んぼ独演会」があり、且つ、ゲストが可朝だということで、外すわけにはいかない会だったのです。番組は、ちょうば「?」、都んぼ「ろくろ首」、都んぼ「替り目」、(中入り)、可朝「市川堤」、都んぼ「景清」というものでしたが、黄紺が繁昌亭に着いたときには、「ろくろ首」の、こよりを足の指にくくりつける少し前、アホが、「この首が伸びる」のかと尋ねているところでした。ですから、頭からまともに聴いたのは、「替り目」から。都んぼの口演では、「景清」を取ります。「替り目」の方は、都んぼらしい動きの多い高座。とっても気の乗った高座は、相変わらず魅力たっぷりだけど、動きにつられず、台詞廻しで、気の乗った高座を見せてくれた「景清」に一票です。台詞の一つ一つ、気張らず、等身大の気持ちがこもっていました。およそ初演とは思えない出来栄えに拍手です。逆に、「替り目」は、酔っぱらいに気が乗るからでしょうか、動きが多くなります。ただ、都んぼの場合は、気が乗ってるからこそ、動きが多彩になってしまうのでしょうね。それに、「景清」に出てくる観音の声が良かったなぁ。落ち着きのある、そしてよく通る声が魅力的でした。可朝の「市川堤」には、びっくり。黄紺が、トルコに行っていて行けなかった福団治との二人会で、これを出したという情報は得ていましたが、まさか昨日、出してくれるとは、ホントびっくりでした。冒頭から延々と続く地語りの部分が聴かせます。見事です。ただ、女を斬りつけたり、シャープな動き、台詞廻しが求められる場面では、さすが歳には勝てずというシーンが続きましたが、それはしゃーないわね。幽霊の出てくるところで、噺は切り上げ、舞台袖に戻ると、すぐにギターを抱え、再登場。「出てきた男」という歌で、ちかんの歌という名で、一度、生で聴いたことがあるのを歌って、大歓声でした。いい会でした。最初から聴けていたら、もっといい気分だったでしょうね。




2009年 10月 20日(火)午後 11時 47分

 睡眠不足、復活です。理由は、韓国ドラマ「私の名前は、キム・サムスン」です。翌日、厳しくなるのがわかっているのに、見てしまってます。しかも、夜遊びも続けるとなると、かなり根性が要ります。なために、今日は、悩みました。行くつもりをしていた落語会の開演時間が、7時半だったからです。目が痛くなるまで、寝不足が堪えているのに、大丈夫だろうかということです。でも、行きました。行き先は、中崎町のコモン・カフェであった「たまの落語劇場」です。たまは、動楽亭でも会を行っていますから、この中崎町の会の頻度は落ちています。なもので、ちょっと間が空いた中崎町です。会場に入ると、舞台は、毛氈がかかってない状態。客の前で、たまは、笑子や雀五郎の手を借り、舞台設営をする慌ただしさでした。で、番組は、たま「前説」、笑子「人形落語:あたま山」、たま「佐々木裁き」、雀五郎「茶の湯」、たま「長短」、(中入り)、たま「新作ショート落語」「いーや」「0106」というものでした。必ずくると思っていた居眠りは、雀五郎の半ばからで、「長短」も、ぼやーとしたまま推移してしまいました。特に、たまの「長短」は、自分的には、初物だったので、悔しいですね。そのたまですが、「佐々木裁き」が、たまベストの中に入ると思える出来に、感心でした。 大幅なカットや組み替えを行うのではなく、頓知問答の部分で、知的な逆転を見せたり、裁きの狙いを、汚職撲滅と明確にしたりと、ネタの合理性を、知的に追求したものと言えます。饅頭のところで、常のしろ吉の言葉を先に、佐々木さんに言わせてから、更に、それを越えるようなことを言わせたり、与力の心意気を、お奉行さんが訊く前に、しろ吉に、だるまを出させ、自ら言わせることにより、汚職問題をクリアにするという、観点の明確ないじりが行なわれました。しろ吉の利発さを、常の形ほど出さなくても十分だろうという主張も、明確に見えていました。星の数を数えに行く話や、頓知問答の一部カットをしたのも、これに沿った方策でしょう。ということで、たまベストに入る代物だと思うのです。新作物の「いーや」は、既に、原型なるものには出会っていました。警察の捜査で、慰留物に触れるだけで、それに触れたことのある人間の行動を再現できるというものです。こういうサイコ・ミステリーの世界は、たまの新作では、時々顔を出してきます。一方の「0106」は、総会屋対策をする会社が、そのために、極道と接触するもので、「戦国策」に出てくるエピソードをプロットとして使っていますが、設定自体が、自分的にはおもしろいと思えず、ダジャレで推移するところが多く、も一つしまらない感じのネタでした。めっけものが、笑子の人形落語。前半は、オバマ大統領の人形を出しての腹話術。そのオバマ大統領も、腹話術をするという笑子得意のパターンも盛り込まれています。この腹話術の部分では、「あたま山」の要素はありません。オバマ大統領の持ってきた土産のさくらんぼを食べると、木が生えてきて、「あたま山」に入っていきます。頭に、予めヘアーピースを付けておき、そこに、人を突き刺していきます。もちろん木も生やします。これは、新しい試み。ただ、頭の上の会話がありません。これは惜しまれました。ここは、十分に改良の余地があります。なんか、どないに変わるか楽しみなものを作り上げました。




2009年 10月 19日(月)午後 10時 44分

 今夜は、久しぶりに狂言を見に行ってきました。狂言が久しぶりならば、文化芸術会館での狂言は、更に久しぶりです。これは、先日、文楽を見に行ったときに、今日の会のチラシを見つけたのです。こういう風に、普段、あまり行かないところで、また新たな情報を得られるっていうのは嬉しいことです。自分の活動範囲が広がりますからね。今日の会は、「第126回狂言三笑会」と言い、茂山門下の網谷正美、丸石やすし、松本薫の3人が始めたものですが、最近は、同門の若い世代にも出番を与え、勉強の場を提供しています。普通の和室を能舞台に見立てての公演で、見る方も、演じる方も、ちょっと勝手は違いますが、出演者が、ちょっとずつ工夫をこらし、違和感のない舞台を見せてくれます。今日の番組は、狂言「大藤内」松本薫・網谷正美、狂言「二九十八」島田洋海・井口竜也、(休憩)、「トーク」松本薫、小舞「うさぎ」島田洋海、小舞「幼けしたるもの」井口竜也、小舞「福部の神」松本薫、狂言「名取川」丸石やすし・網谷正美というものでした。休憩明けに、番組表には載っていなかった松本さんのおしゃべりがありました。最近、この会には来ていなかったので、こういう形のトークが入るのが定番になってるかどうかは知らないのですが、まず、先代の千作の演じた「大藤内」の話があり、そのあと、黄紺にはショッキングな話が出てきました。この三笑会が来年度いっぱいで、幕を閉じるというのです。三笑会自体を解散するとかいうことではなく、府の後援を受け、今の会場で行う狂言会は、後進に道を譲ろうというのです。恐らく、今日も出演した島田、井口のお二人を含めて、現在、茂山家には、書生さんが5人いるそうで、彼らに勉強の機会を与え、茂山の狂言を盛り上げてもらおうという趣旨のなのでしょう。確かに、一番若い松本さんでも、再来年には還暦を迎えるとか。そないなことでの行動と説明されれば、よく理解はできるのですが、これは、寂しい話です。ちょっと、しんみりしちゃいました。今日の演目では、「名取川」が、扱い的にも、ランクが高いですが、狂言らしいおかしさ、アホらしさがあり、いいですね。落語の「八五郎坊主」っぽい話ですが、「八五郎坊主」のようなだだけ者が主人公ではありません。そして、「大藤内」なんてのを見てしまうと、やはり、ちゃんばら能「夜討曽我」を見たくなりました。




2009年 10月 18日(日)午後 11時 44分

  大阪市遊歩(22)写真集

 今日も、昨日同様という計画を立てました。午前中にウォーキング、午後から2部構成で、遊びに行くというものです。そして、ウォーキングのコース設定は、午後の部に合わせての設定です。今日は、自分の描いたコースをほぼ実現できました。あと10分あれば、設定通りとなったのですが。詳しいコースは、次のようになりました。京阪「京橋」駅〜朝日橋〜鴫野霊園〜鴫野東〜八劔神社〜天王田〜天永橋〜専永小橋〜諏訪霊園〜圓通寺〜春日神社〜八幡神社御旅所〜諏訪神社〜地下鉄千日前線「新深江」。今日は、鴫野で、地車の巡行を見れたことが、大ヒット。合計4つもの異なった地車を見ることができました。別に探し出したわけではなく、お囃子の聞こえる方向に歩いていくとあったということでした。八劔神社は、今日が、地車巡行で、祭礼自体は、来週のようですが、諏訪神社の方は、もろに本番で、境内には、屋台も並んでいました。秋祭り、シーズン真っ只中です。天王田は、これで、少なくとも2回目となる通過ですが、川の風景が気に入っている黄紺には、お気に入りスポットの一つ。取水場の風景なんかは、独特の景観を成しています。最後は、近鉄大阪線の「今里」駅まで行きたかったのですが、あとのことを考え、「新深江」駅での切り上げとなりました。
 「新深江」から、鶴橋経由で寺田町へ行き、そこから徒歩10分以上かけて、昼の部の会場成恩寺へ。こちらでは、定期的に、生喬が、ネタおろしを兼ねての勉強会「生野弁天寄席」を開いているのです。今日は、その58回目。の番組は、三幸「立候補」、生喬「へっつい幽霊」、(中入り)、染雀「淀五郎」、生喬「提灯屋」ということで、今日のネタおろしは、演じ手が、現在、他にいるだろうかと思う「提灯屋」でした。今日は、客席に、大きな声で喋る年寄りを連れてきた人がいて、散々。こないな環境で落語をしなければならない噺家さんを思うと気の毒になる一方で、明らかに、理解が無理そうな年寄りに出ていけとも言えず、客席は、変な空気が漂っていました。特に、生喬の「へっつい幽霊」は気の毒だったな。演じてる気がしなかったんじゃないかな。連れの人は、どうして止めないのでしょうね。止められないなら、やっぱり連れてきちゃ、あかんでしょうね。三幸は、鳩山くんと谷垣くんを登場させてました。演説は、鳩山くんです。谷垣にはできないですね。影の薄さは、こういったところでもわかります。「へっつい幽霊」は、書いた通りの状態で、落ち着いて聴けてませんし、生喬の声も、必要以上大きく、ちょっとバランスを崩していました。「淀五郎」の後半に入ったところで、帰ってくれましたので、最後の場面は、じっくり聴けて、胸をなでおろしました。その最後の場面ですが、花道にいるはずの役者がいないところに気づくところ、迫真の口演、花道から動かなかった団蔵の厳しさ、優しさが、よく出てました。また、淀五郎から相談を受けた尾上民蔵の気の良さも良かったです。見事な口演でした。ちょっと過剰さというか、芝居がうますぎるというのが、染雀の芝居噺の課題と言えば課題だったのが、今日は、そないな、ちょっと芝居の部分が浮くような感じはなく、正に一期一会的な名演だったと言っていいと思います。「提灯屋」は、ライブ経験が、簡単には思い出せないネタ。自分的には、かなりの珍品、世間では、そこまでのことはないと思います。生喬が、マクラで、噺家の一門ごとの家紋について、ヴィジュアル的に説明してくれたときですら、ネタが判らなかったほどです。ネタ的には、提灯屋との掛け合いというか、駆け引きは、ちょっとした言葉遊びに終始。そのしょーもなさを楽しむ噺。生喬は、こういったネタを、肩の力を抜いているつもりでしょうが、聴き手からすると、もう20%ほど、省エネ運転をしても大事ないと思うのですが。
 寺田町から京橋経由で、夜は繁昌亭です。時間調整は、30分だけ、いつものネットカフェでです。今夜の繁昌亭は、「桂しん吉 秋の祭典'09〜独演会への道〜」がありました。しん吉の繁昌亭での会は、映像を使ったり、いろんな試みをしてくれますので、大概押さえているんじゃないかな。ただ、今日は、普通の独演会形式でしたが。番組は、吉朝一門でかためられ、佐ん吉「田楽食い」、しん吉「道具屋」、あさ吉「世帯念仏」、しん吉「高宮川天狗酒盛」、(中入り)、しん吉「本能寺」というラインナップとなりました。佐ん吉の「田楽食い」は、何度目かになりますが、だいぶとグレードアップしていました。野菜が、延々と続いたり、「ん廻し」の新ネタが入ってたり、キャラの工夫があったりで、飽きさせません。「道具屋」に入る前に、しん吉は、近況報告。彦八まつりでの映画出演話、テレビに映る話をいくつかが披露されました。「道具屋」では、笛の値段を、8円50銭としました。一体、元々は、いくらの値段が付けられていたのか気になっていたのですが、どうやら、この数字みたいですね。あさ吉は、延々とマクラを振り続けました。パキスタンでの英語落語会から入門秘話まで。あさ吉のキャラをよく知る客が多かったようで、かなり受けていました。「高宮川」をするのは、知ってる範囲では、文我、文華、それに、しん吉ですが、何度かは聴いていますが、いつ聴いても、おもしろいと思えないネタ。今回も、そのまんまでした。下げが、必要以上に、面白さを壊しているようですね。この辺から感じだしていたのは、しん吉の口演に起伏が乏しいということです。山賊にらしさを感じないのです。それは、次の「本能寺」にも言えること。昼間に、生喬や染雀のものを、よーく聴かせてもらいました結果、あっさり系は、受付ない体質になってたみたいです。生喬には、押しの強さ、染雀には、芝居のうまさに圧倒されてしまってましたので、今日のしん吉の口演に、さほど魅力を感じませんでした。




2009年 10月 18日(日)午前 0時 32分

  守口市(8)〜大阪市旭区写真集

 今日の土曜日も、午後と夜にお出かけをするということで、ウォーキングは、朝に入れました。午後の部に合わせて、最後は、地下鉄谷町線に着くのがベストだけれど、今里線や京阪でも可ということで歩き始めました。出始めは、とってもいいお天気で、絶好のウォーキング日和。ところが終盤になると、あれよあれよと言う間に、雲が広がり、地下鉄「千林大宮」駅到着後、お昼ご飯を食べて、外に出ると、どしゃ降り一歩手前の降りに、びっくりでした。着替えを持っていましたが、午後の部で行く繁昌亭のトイレですることにしました。詳細なコースを記しますと、京阪「西三荘」駅〜閣了寺〜天乃神社〜南詢寺〜大宮中央公園〜現代南画美術館〜産須那神社〜南寺方公民館〜清水中公園〜八幡大神宮〜滝井東会館・助地蔵〜京阪「滝井」駅〜関西医科大学付属病院〜地下鉄谷町線「太子橋今市」駅〜今市カトリック教会〜淀川河川敷〜城北地蔵〜大宮神社〜地下鉄「千林大宮」駅となります。当初の計画では、淀川沿いの城北公園を目指そう、その前に、「西三荘」駅の南方地域を歩いてからにしようという、あまり結びつけない方がいい2つを結びつけようとしたことに無理があり、今市中学校の傍らを歩いているときに、城北公園へ行くのは、すっぱりと諦めました。先日、森小路駅から行った芸術創造館前のレストラン「イスタンブル」を、カメラに収める計画も、惜しいところで、おじゃんです。今日歩けたところでは、西三荘駅の周辺っていうのは、古い家屋が、わりかし残っています。守口市が選定をした「守口まちなみ」賞地区という標識があるくらいで、黄紺も納得の選定です。一度、今日のように、西方向に方向転換しないで、西三荘からまっすぐに南下して鶴見緑地に向かうコース設定も試みようかと考えていました。そして、秋祭りの季節になってきています。時々、こうやって歩いていると、御輿の巡行日程などを目にしますが、今日は、滝井駅の近くで、地車倉庫から、地車本体を出されているところに遭遇しました。今日が、巡行当日だったのでしょうか。ようやく、ウォーキングの終盤に、淀川河川敷に到着。今市中学校の脇の河川敷には、陸上競技用トラック、その中に、ラグビー・グランドを持ってるグランドが、二つ並んでいました。淀川の河川敷は、いろいろな風景を見せてくれるので、ウォーキングで、ついつい足が向いてしまいます。今日は、時間の関係で、淀川縁をあまり歩けなく、残念なことでした。
 「千林大宮」からは、谷町線一本で、南森町へ。午後の部は、繁昌亭の昼席です。今日は、昨夜の三風の会に出たからでしょうか、喬太郎の出番が組まれている日だったのです。しかも、中トリです。東京の噺家さんが来られて、中トリっていうのはあったかなぁという感じです。番組は、松五「大安売り」、こけ枝「始末の極意」、楽珍「ちりとてちん」、ナオユキ「漫談」、円笑「亀佐」、喬太郎「井戸の茶碗」、(中入り)、チョップリン「コント」、仁嬌「替り目」、達瓶「狸賽」、あやめ「サカイで一つだけの花を」というものでした。松五は、こもるようなしゃべり方で、どんなネタをしても明るさに欠けるという点がありましたが、今日の「大安売り」は、それを、かなり克服しており、松五の口演では、抜けたベストと思いました。かなり意識しての口演と看ました。この調子です。こけ枝は、自分の風貌で、十分と笑いを取り、掴みはこの上ないものに。ネタも、うまくカットして、ネタのエッセンスを、うまく伝えてくれました。こけ枝のあとに出ると、楽珍もおいしい。風貌で、重ねることができますものね。おまけに、独演会のチケットの売れ具合でも笑いを取り、短縮形の「ちりとてちん」。茶碗蒸しや鯉のアライで遊んだりや、長崎旅行の話なんかはカットでした。ナオユキは、今日の客のつぼにはまりました。じ?っと、客席をにらんだまま後ろずさりしながら引き上げだすと、どよめきにも似た声がもれました。後ろで、「こういったTVでは見れないおもしろい人を、繁昌亭では見れるんや」の声が。円笑は、米朝にもらったというネタを。但し、小咄のようなものなので、もぐさつながりということで、「強情灸」の超短縮形を疲労してから入りました。そして、お目当て喬太郎。挨拶をして、マクラも振らないで、いきなりネタに。一瞬、何をするんだと思ったら、なんと、「井戸の茶碗」じゃないですか。これには、びっくり。長屋の侍の家と細川藩屋敷の侍の家、この両者の切り替えは、右向いて、左を向くと変わってました。その間の、屑屋の清兵衛の戸惑いの言葉などはカットです。このネタは展開の妙があるので、大正解。屑屋仲間の困惑を、どうするのかなと思っていましたが、ここは、きちんと入れていました。とにかく、展開の妙という、噺の持つ強さを基にして組み立てていこうとしたと看ました。ただ、今日は、えらくかんでいて、どうしたのでしょう。気になっていたのかなぁ、下げがぞんざいだったような感じがしました。だけど、定席で、まさかまさかのネタで、大儲けです。チョップリンは、一人が影となり、影と影を出す男との会話。影は、こないなものと思い込んでいる上に成り立たせている。アイデアがすごいなぁ。仁嬌のネタは、「替り目」か「天狗裁き」のどっちかです、繁昌亭では。達瓶は、初遭遇。達者なしゃべりに、こんな人がいたんだの感覚。もっと積極的に落語会に出ればいいのにと思いました。あやめは、今週の出番は、このネタに決めていたようで、他の日も、フラワー・アレンジメント落語をやっています。極上のネタであることは言うまでもなしです。
 繁昌亭が終わったあと、南森町のいつものネットカフェで、1時間40分ほどの時間調整。そして、再び、谷町線で逆戻り。行き先は、「関目高殿」駅近くの城北学習センター。こちらでは、雀三郎一門が出演する落語会が、定期的に開かれているのですが、今日は、落語会ではなく、雀三郎とまんぷくブラザースのコンサートがあったのです。こちらの会は、大阪市が、自前の施設を使い、生涯学習の講座の一つとして行われているため、リーズナブルなお値段で、こういったコンサートや落語会が開かれるということで、お勧めですよ。プログラムは、次の通りです。「オープニング」「ヨーデル食べ放題」「やぐら行進曲」「二人のやぐら」「浜風ラプソディ」「思い出の渚」「おばあさんの古時計」「遠野物語」「煮えろ水炊き」「コモエスタ一人鍋」「江戸の人気者」「反逆者のうた」「怒りのうた」「寿限無」「あぁ、青春の上方落語」「それぞれの味」「エンディング」「忘れん坊のサンタクロース」「サルサで別腹」全18曲。半分以上は、初めて聴く曲でした。彦八まつりとかでは聴く機会がありましたが、まんぷくブラザースだけのコンサートだけというのは、初めての経験でしたから、そりゃ初遭遇の曲があっても、当然です。客の入りの方は、も一つといったところ。年6回行われている落語会は、まだ1度しか行ったことはありませんが、その1度のときは、大変な入り。ついつい、それと比べてしまいますが、そのような人気はありませんでした。雀三郎の落語は知っていても、雀三郎の歌は別なんでしょうね。せっかく、城北学習センターの好企画も、伝わらない相手じゃ、大変です。満杯にならなかった客席には、落語会の常連さんの顔を見かけましたから、その数をさっ引くと、まだ減ってしまいます。嘆かわしい現実です。




2009年 10月 16日(金)午後 10時 26分

 今日は、夕方から門真に出張。昨日の吹田、今日の門真と、2日続きの出張。こんなの、そうはないことです。そして、門真から南森町に向かい、繁昌亭の夜席に行ってまいりました。今夜は、「桂三風25周年独演会〜10月席〜」がありました。入門25周年を記念して、繁昌亭で毎月行われている会ですが、黄紺は、今日で3回目かな。今日は、東京から、柳家喬太郎をゲストに迎えたからでしょうか、かなりの入りでした。番組は、笑丸「ほうじの茶」、三風「地獄八景亡者戯」、(中入り)、喬太郎「にんじん(仮題)」、三風「祭囃子が聞こえる」というものでした。まず、いきなり色物系落語でスタート。時間の関係で、後ろ紙切りとウクレレ漫談だけでした。三風が「地獄」をするのは知っていましたが、実際に遭遇するなは、初めて。遊び尽くした金持ちの社長が、地獄ツアーを企画し、それに同行する人たちと、地獄にやって来るという設定。そして、その社長一行が、全編を通じての主役。流れ的には、元の噺を、丁寧に追いかけていき、六道の辻を、閻魔の庁の到着するまでを描きました。元々、軽い駄洒落っぽい噺が、延々と続くだけのネタですから、主人公や時代設定を現代に持ってくると、ますます軽くなり、面白味に欠けたと言わざるを得ませんでした。誰かにはやってもらいたい試みだとは思いますが、着想だけでは如何ともし難いというところかな。三風のもう一つは、千里ニュータウンをモデルに、今や、すっかり高齢者の街と化した、かつてのニュータウンに活力を取り戻すために、途絶えていた祭りを復活し、街の再生を図る噺。常識派の三風らしく、高齢者、活性化、祭りと、ちょっと、ステレオ・タイプに過ぎます。意外性の欠片すら感じない作品、あまり好きになれない新作です。このことは、特に、喬太郎の口演を聴いた直後でしたので、余計に強く感じてしまいました。その喬太郎は、普段と異なった行動(普通の買い物)をとる一人の男の行動を見る商店街の人たちの言葉からスタートします。その買い物は、別れた妻が訪ねてきて、男にハンバーグを作るためでした。後半は、この元夫婦の会話で推移していきます。海千山千の商店街の人たちがじっとしているわけはありません。その人たちのちゃちゃが入るなか、元夫婦の今後が語られていきます。落語という形式を借りた夫婦の物語、ここまで来ると、小説とも言えます。語られないところを敢えて作ることにより、聴き手の想像力を掻き立てます。それが、とっても爽やかな想像力喚起なのです。なぜ、この二人は別れたのだろう? 別れてから、二人は、この日まで、お互いを、どのようにみていたのだろう? なぜ、元妻は、再婚を知らせずにしておかなかったのだろう? そして、にんじんを、嫌いだと知りながら、なんで、ハンバーグに入れたのだろう。そして、男は、にんじん食べることで、何を判ったのだろう? 文学の世界に、足を踏み出した落語と言っていいのじゃないかな。喬太郎の才覚に、あらためて目を見張りました。




2009年 10月 15日(木)午後 11時 2分

 今日は、朝から吹田に、全日出張。昨夜、茨木でコンサートに行ってましたから、その場で泊まり込み、今朝の出張に備えたら、どんなに、今朝は楽だったろうと思っても、所詮無理な話。この出張は、4年ぶりかな、4年前同様、朝、まるでお腹の弱い黄紺は、マグドで、朝ご飯。同時に、時間調整もして、訪問先に向かいました。出張が終わると、南森町に向かい、夜遊びのための時間調整。南森町が、つなぎの場所に絶好ということで、馴染みのネットカフェに行き、晩ご飯も、繁昌亭近くで済ませ、JRで新福島に向かったのでした。今夜は、ABCホールであった「あさの@しょーいち堂」の芝居「どくろ2雷電」に行ってまいりました。芝居を見る夜に当てたのでした。美津乃あわが出る芝居に損はないという判断で、関西のおもしろい劇団探しの網に引っかかってきました。この芝居は、三部作の第二部ということで、開場され会場に入ると、スクリーンが垂らされており、第一部として、既に上演された芝居のスライドショーが行われていました。どうやら、第一部は、学園ドラマだったようで、どくろと呼ばれる悪の根源が入り込んだために起こる悪魔騒動のなか、どくろに取り込まれた男十兵衛に戦いを挑む退魔師との戦いを描くなかで、十兵衛(あさの)と、退魔師四郎(美津乃)の素性も解き明かされるというのが、第二部の内容でした。その中で、十兵衛は倒されたように見えましたが、第三部の予告では、「十兵衛復活」と出ていました。劇画チックな内容、悪魔とか天使のようなのが出てくる芝居っていうのは、おたくっぽく、且つ、幼い芝居のように看られ、商業演劇ならまだしも、小劇場系の芝居では、扱われてこなかった内容なんだけど、最近は、そうじゃないような感じでいましたが、この芝居も、そういった芝居に入るのでしょう。この手の芝居は、現実離れをしていますから、作者は、奔放に筋立て、登場人物をいじれます。正に、自己陶酔できるところです。だから、存分に楽しんでもらえばいいのですが、その楽しさが、客に伝わらないとダメなんですよね。でない部分があると、非現実的に設定していますから、わからないところはわからないまんま。この芝居にも、いくつかありました。特に、最後のところで、十兵衛は、やられたのかどうかも、判然としませんでしたし、どのようにしてやられたのかも、わからなかったなぁ。早い話が、新感線の路線狙いなのかなぁ。それに、場面転換の工夫が工夫になってないよなの気分でした。来年8月に、第三部があるそうですが、行くだろうかな、ちょっと微妙なところです。




2009年 10月 14日(水)午後 11時 7分

 昨日は、ちょっと弟の家に寄る用事もあり、夜遊びなしの日。おかげで、夜中に、新たな韓国ドラマ「私の名前はキム・サムスン」に取りかかれました。「アイルランド」では、がっくりのヒョンビンが、とっても輝いて魅力的な男を演じています。今後が、とっても楽しみなドラマです。
 今夜は、茨木市民会館で、長岡京室内アンサンブルを聴きに行きました。音楽会は久しぶりです。長岡京室内アンサンブルは、3年ぶりくらいでしょうか。前に聴いたときは、ホントにぶっ飛びました。あまりにも、おしゃれな演奏に、びっくりしたのです。とにか く良かったのです。今回は、今日の茨木、次いで、吹田、西宮で、演奏会があります。どれもこれも、行きにくいところ、ばっかし。そこで、家に帰りやすい茨木を選んだというわけです。民音主催のコンサートだということもあり、客の動員力はさすがというものがありましたが、その代わり、プログラムは、えらくベタなものが並んでしまいました。ヘンデル「合奏協奏曲」、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、モーツァルト「ピアノ協奏曲第12番」、(休憩)、エルガー「弦楽セレナード」、ドボルザーク「弦楽セレナード」というものでした。一つのポリシーとして、民音のコンサートには行かないと決めているのですが、今日のコンサートは、迂闊にも、それを調べず、長岡京室内アンサンブルを聴きたさに、チケットを買ってから気が付き、えらいこっちゃと思っていたら、案の定っていうやつです。曲が終わってないところで拍手は入る代わりに、一曲が終わっても、気のない拍手。携帯は鳴るしと、最悪。せっかくのコンサートに来ても、ホントに聴きたくて来てるのかと疑う客が多いのが、民音のコンサート。我慢のしどころです。肝心の長岡京室内アンサンブルですが、前に聴いたときよりも、人数が減ったような。今日は、12人の演奏者が舞台に立ちましたが、そうだったかなぁの感じ。メンバーも変わってるみたいで、主宰者の森悠子の教え子のような人、それに、関西の楽団で活躍する人ばかりという感じになっており、幾人かいた外国人奏者はいなくなっていました。音的にも、弱くなっていることは否めないどころか、音の艶や輝きのようなものも減退しています。あまりに、最初に聴いたときの印象が強かったものですから、ちょっと誇張してしまってるかもしれませんが。あの飛ぶような、風に乗ったおしゃれなモーツァルトは、今回も、まだまだ勢いは感じましたが、奔放に動く森の音楽についていけず、アンサンブルが乱れるなんてことがありました。でも、このアンサンブルのモーツァルトは魅力的です。今日の演奏では、ドボルザークがベストでしょう。風が舞うような音楽の流れ、それに乱れないアンサンブル、安定感がありましたが、音的には物足りなさが残るのは、如何ともし難いものがありました。ピアノ協奏曲のソリストは、神谷郁代でした。久しぶりの遭遇です。長岡京室内アンサンブルの音色がくすんだ色合いだったのに対し、神谷郁代のピアノは、なぜと思うほど輝いていました。ピアノの音には強く、弦には厳しいホールなのかもしれません。こんなに輝いてると、モーツァルトじゃない方がいいかもしれませんでした。派手というやつではない輝きです。ただ音色から考えて、ペダルを控えた方がいいんじゃないという箇所がいくつか。そういうところを押さえてもらえば、得難いモーツァルト体験となったでしょう。ちょっと不満ぽいことを書きながら、来年の1月にある長岡京室内アンサンブルのコンサートに、チェックを入れている黄紺なのです。




2009年 10月 13日(火)午前 5時 39分

  大阪市遊歩(21)写真集

 昨日は、8時40分をメドにお出かけ。まずは、繁昌亭の朝席に向かいました。時間の関係とかで、あまり朝席には行ってないのですが、昨日は、午後の部を組んでも、そのあとにウォーキングをもってこれるということに加え、朝席では、わりかしそそられてしまう「あされん〜若手鍛錬落語会〜」があったのです。この会は、三弥と三幸が主宰するもので、三弥のとぼけた味、三幸のちょっと異感覚がおもしろいのです。番組は、三弥「牛ほめ」、三幸「クレーマークレーマー・センター」、三弥「佐々木裁き」、三幸「1分間演芸:家紋」、染弥「ふぐ鍋」というもので、ゲストの染弥がトリをとるという珍しい番組となりました。この内、三幸のネタは、二つとも、桜川3丁目劇場で、土曜日に披露したもの。「クレーマー」で、クレープ屋さんのところで、言葉遊びを入れたり、それを、ラップ調で繰り返したりという新しい部分もありましたが、間1日を置いての出来事ですので、ちょっと腹立たしい思い。三弥は、「佐々木裁き」に集中していたのでしょうか、「牛ほめ」で、何度か言葉が飛んだり、詰まりかけが起こったりと、ヒヤヒヤもの。でも、「佐々木裁き」はベターな選択。とにかく、この人のベストは、「真田小僧」の子どもですから、子どもつながりで、ネタを増やしてみようという心持ちは、結構なことだと思います。ただ、「佐々木裁き」は、「真田小僧」とは違い、侍が出てきて、町人、なかでも小倅と、お裁きの場で口を訊いていくという特殊な雰囲気と、その対話で、物語が進むものではないという特殊な構成。そういった特殊性にまで高まりを見せていったかというと、時間がかかるかもしれません。「ふぐ鍋」は、この秋初めての遭遇。そういった季節になってきました。染弥は、デフォルメをしない正攻法。大橋さんが、幇間ぽく過ぎるのは、難しいところですね。染弥は、かつての控えめなところがありました、今や自信を持って演じてくれます。今秋初物に、いい「ふぐ鍋」を聴けました。
 南森町で食事をとり、谷町線で、四天王寺夕陽ヶ丘に移動。午後の部は、一心寺南会所であります「一心寺門前浪曲寄席」に行ってまいりました。月に3日開催される浪曲の定席です。今月のお目当ては、すっかりファンになってしまった京山小圓嬢が出るのと、94歳で、未だなお現役をはっている天竜三郎、この二人でした。番組は、真山誠太郎「源平悲恋物語」、京山小圓嬢(沢村さくら)「祐天吉松」、京山倖若(沢村さくら)「難波戦記:後藤又兵衛の大坂入城」、天竜三郎(岡本貞子、G:安井久雄)「紀伊国屋文左衛門:戻り船」というものでした。「源平悲恋物語」は、三味線を使わず、録音された音楽に乗って、時には歌謡曲まがいの音楽になりという形で進行。自分的には、初体験でした。このネタだけに使われるのか、それとも、真山誠太郎という人は、こういった浪曲をする人なのか、それは、何度か聴いている内に判るでしょう。内容は、平家の落ち武者が、女子どもを助けるために、自害するのを助けた那須余市の弟と、平家に仕えた女の物語。真山誠太郎という人、人物の描き分けが上手で、なかなか聴かせてくれました。次いで、小圓嬢は、リクエストに応じてということで、「祐天吉松」。これは、儲けもの。ただ、釈ネタからの転用は、元ネタのエッセンスとなる部分を取り上げます。それも、アレンジをする人の価値判断で。浪曲の「祐天吉松」は、父親吉松と息子との再開話の部分です。それはそれでいいのかもしれませんが、「祐天吉松」というネタを、しっかりと押さえている人には、おもしろみは倍加するのでしょうね。ただ、そないなことを置いておいても、小圓嬢はうまい。子どもは言うに及ばず、吉松のタンカも聴かせてくれます。「後藤又兵衛の大坂入城」は、博多を離れて、小倉藩城下に入った又兵衛が、息子を仕官させると言って、小倉藩士有馬某に、乳飲み子を預ける話。徳川に付く小倉藩主も、それと知りながら、有馬某が預けられることを容認するというもの。前半は、まるで落語「竹の水仙」を思わせる滑稽な展開。それを、幸枝若ばりに軽快に転がしていく倖若。楽しませてもらいました。倖若は、以前聴いたときには、あまり印象には残らなかったのですが、今日は、バッチリです。天竜三郎は、自分でも言ってましたが、「94歳なもので、老人の声」であることは、確かにそうなんですが、声量は、94歳とは、到底思えないものがあります。語りも、しっかりしていますし、マクラも、ちゃんと入れてくれています。どえらい94歳です。今月は、3日とも、「紀伊国屋文左衛門」だったそうです。惜しいことをしてしまいました。話は、船で、江戸に入った文左衛門一行は、吉原に繰り出し、大散財。しかし、吉原に居続けて、体がもたないという下ネタが入り、文左衛門一行は、戻り船に、塩鮭を積んで帰り、またしても大儲けをするというたわいない話。天竜三郎も、冒頭に、その旨を断って始めていました。講談を聴いて、浪曲を聴くと、浪曲という芸が、なんとなく解るような気がします。もっと以前から聴くべきでした。
 浪曲の寄席が終わると、一心寺南会所前からウォーキング開始です。昨日は、そこから、南へと方向を取り、とにかく未踏の地平野区を目指そうという試みです。ただ、浪曲の終演が3時半を回ってしまい、そこから2時間となると、もう陽が落ちてしまいます。暗くなってからは歩きたくないですので、これは、ちょっとまずかったなの気分でしたが、昨日は、とってもいいお天気で、わりかし明るさが持った方で助かりました。ということで、詳細なコースは、一心寺南会所〜超願寺〜あびこ筋JR架橋〜阿倍野区役所〜桃ヶ池〜近鉄南大阪線「北田辺」駅〜北田辺橋〜土筆橋・うるし堤公園〜栄橋〜平野白鷺公園〜小馬場口地蔵〜大念仏寺〜馬場口地蔵〜杭全神社〜JR関西線「平野」駅となりました。平野のお目当て大念仏寺と杭全神社は、かなり暗くなっていました。写真を見ても、カメラがいいものではありませんから、写りがひどいです。大念仏寺は、中に入れなかったしと、やっぱ時間を考えてウォーキングはしなければなりません。だいぶと反省。平野は、やっぱ、ゆっくりと観光気分で歩きたいところですね。前から考えていて、未だ実行してないところです。




2009年 10月 12日(月)午前 0時 12分

  大阪市遊歩(20)写真集

 ここしばらく、家で時間があると、韓国ドラマ「ハロー!お嬢さん」というものを見ていました。「グリーンローズ」で、悲劇のヒロインを演じたイ・ダヘが、「お嬢さん」を演じていたからです。ここで言う「お嬢さん」は、ある家系の宗家で、韓国の伝統的家屋に住んでいる女性ということです。それに対し、その伝統的家屋のある一帯を買い占めようという巨大企業が現れ、その役目でやって来て、「お嬢さん」と出会い、惚れ込んでしまう会社の御曹司との恋物語です。かなり漫画的な展開で、御曹司同士での「お嬢さん」の取り合いに、会社内の勢力争いがからみ、また、「お嬢さん」の両親は、わけありだったり、そのため、実父は、別途、ソウルに異なった家族と住んでいたり、それに、おバカなキャラも、結構出てきます。その数が多いですね。そして、最後は、期待通りのハッピーエンド。たわいのないドラマでしたが、おバカキャラが多いのと、儒教の国は、どうしても年長者には逆らわないように、ドラマ作りがなされます。解ってはいながら、なんとももどかしい展開でもあります。共演者は、「ニューハート」「ワンダフル・ライフ」のイ・ジフンが恋人役、その恋敵にハ・ソクチンらでした。
 ところで、今日は、昨日より若干遅めに家を出て、ウォーキングをしてから、落語会と映画に行くという計画を立てました。最近、大阪市内のウォーキングで、よく歩く箇所西淀川区内を目指して、今日は、環状線の「野田」駅を起点に選び、伝法橋を渡ってみるコースを考えてみました。お天気も、昨日ほどではありませんでしたが、まあまあのウォーキング日和でした。詳細なコースを記しますと、JR環状線「野田」駅〜高見フローラルタウン〜澪標住吉神社〜宝泉寺〜西光寺〜阪神なんば線「伝法」駅〜伝法大橋〜福住吉神社〜大野川歩行者専用道〜住吉神社〜大阪市大野下水処理場〜西島橋〜西島住吉神社〜西島川水門〜城島小橋〜五社神社〜中島大橋〜阪神なんば線「出来島橋」駅となります。港に近く、工場の並ぶ地域ですが、休日は、その分、人や車の数は、とっても少なく、静かで、ウォーキングに関しては、とっても快適なところです。ただ、堤防の高さを見るにつけ、高浪など自然との葛藤が避けては通れない様子も見せてくれるところです。西淀川区は、これで3回目となるのですが、今日も、予定に立てたコースは、もっと長いもので、これからは、起点を、西淀川区内に設定して、ゆったりとしたコース設定を考えねばならないなというのが、反省事項です。
 「出来島」駅から、阪神なんば線一本で、なんばまでは17分。昼の部は、トリイホールでの「第5回古今亭の会」です。とてもスムーズに移動ができましたので、今日は、開場前の到着です。噺家さん3人で、前売り2700円は、ちょっと高めだからでしょうか、それても、他にいい会があったからでしょうか、ネームバリューが高い噺家さんにしては、入りが悪いわけではないのですが、ちょっと小ぶりだったかな? 今日は、ネタ出しをされていたので、黄紺の場合は、それに惹かれて、迷わずチョイスしてしまいました。東京の噺で、めったに大阪では出ない「柳田格之進」が出るということで、迷わずのチョイスとなったのでした。番組は、才紫「あくび指南」、志ん丸「鮑のし」、(中入り)、志ん橋「柳田格之進」というものでした。中入り前の二人は初遭遇。「あくび」をするには、才紫は、ちょっと堅いですね。瓢逸とした味は、堅いと厳しい。「鮑のし」は、なんで、東京オリジナル・ネタじゃないのを続けるのと思うと、一挙にウォーキング疲れでダウン。中入りで、ようやく覚醒。お待ちかねの「柳田格之進」。さすが、志ん橋には、柳田格之進がはまってしまいます。万屋も、あわせて武士風だけど、柳田格之進と並ぶので、それと比べてしまうので得をしていました。それに、元々、キャラ的に実直な侍ですし、そういった柳田格之進と気が合うくらいですから、万屋の主人も、誠実な人柄、そういった雰囲気に合うのも、志ん橋の落ち着いた語り口。いい条件が揃いました。なんとか、大団円に持ち込まれますが、いかんせん、柳田格之進の娘の不幸は、フォローはされるとはいえ、こじつけ的なフォローをされればされるほど、胸が痛みます。
 落語会が終わると、トリイホールの近くのネットカフェで、30分だけ時間調整。晩ご飯は、久しぶりに三津寺前のラーメン屋。長いこと行ってなかったら、店のシステムやメニューに変更が出ていました。夜の部は、心斎橋シネマートで、韓国映画「キッチン」を見ました。主演の女性に「サッド・ムービー」「最強☆彼女」「魔王」らのシン・ミナ、その夫に「頑張れ!グムスン」のキム・テウ、その恋人に、「宮-クン」「魔王」「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」のチュ・ジフンという好メンバーが並びますので、日曜日の夜とは言え、そこそこ入ってるだろうと思い行ったところ、ガラガラ。それもそのはず、おもしろくないのです。これは、全く、シン・ミナを見に行くだけの映画です。単に、主演3人による三角関係を扱ったもの。シン・ミナ演じる新妻が、ふとした過ちを犯した男(キム・テウ)が、夫が脱サラをして出そうとしているレストランの料理人として現れたところで、三人の怪しくも不思議な関係が進んでいきます。夫は、妻から告白を受け、過ちについては知っているのですが、相手を知りません。となると、ストーリーは、その正体が判るところで、大きく展開し、クライマックスになるはずと、先が読めてしまうわりには、斬新なものが用意されているとは言い難いのです。ですから、ちょっと不倫をするシン・ミナなんて、合うのかしらと思わせておいて、大胆な演技(冒頭だけですが)をさせたり、本来の明るく、愛くるしさを、十二分に発揮してくれますから、それで許しちゃおうの気分にさせてくれます。




2009年 10月 11日(日)午前 5時 58分

  門真市(5)〜大東市(1)〜東大阪市(2)写真集

 3連休が始まりました。めいっぱい遊ぼうというメニューを用意しております。まず、第1日目の昨日は、午後から予定を入れていましたので、午前中に、ウォーキングを持ってきました。今まで歩いたところとよく似たところとは言え、起点は、初めて利用する京阪の「大和田」駅、終点を、鶴見緑地線のどこかの駅と想定し、途中、JR学研都市線の「鴻池新田」駅を経由してなどということを考えたこと自体が間違いで、終点とした「鴻池新田」駅に着くのも、時間オーバーとなりました。門真市内は、特に、変わりなく、道も単純なコースを設定し歩いていき、門真団地を抜けると、間なしに大東の工業団地に突入。今から、25年ほど前、仕事の関係で、この地域の中小企業を巡り歩いたものです。そういった意味では、自分的ノスタルジックなウォーキングになりましたが、随分と明るく、こぎれいになったものです。そういった雰囲気が、鶴見通を越え、第一寝屋川が近づいてくると、どんどんと様変わりをしていきます。古びた雰囲気が漂い、懐かしさにとらわれ出します。伝統的和風建築物も多く残っており、昨日、一番多く、カメラに収めた場所となりました。最後は、住道か鴻池新田か、いずれに出る方が近いかを、その辺りの人に尋ね、鴻池新田に向かうことにしました。詳細なコースを書きますと、京阪「大和田」駅〜エホバの証人の王国会館〜門真市民プラザ〜門真団地〜大東工業地域〜大東大橋〜勝福寺〜諸福天満宮〜乗得寺〜戎大黒橋〜素戔嗚神社〜比枝神社〜常宗寺〜鴻池新田会館所跡〜インド料理店「ミラン」〜JR学研都市線「鴻池新田」駅となります。昼間の気温上昇は著しく、最初から半袖シャツで歩くことになりました。
 鴻池新田からは、JRで京橋まで行き、昼ご飯を食べたあと、京阪で森小路まで行き、そこから約10分のところにある旭区民センター内の芸術創造館に向かいました。以前から、当館の存在は知っていたのですが、実際に、観劇のために、当館を訪れたのは初めてです。3階の広いスペースに仮設の客席を設けると、100人は入れる劇場となります。小劇場としては、貴重なスペースが現れたものです。昨日は、こちらで、遊気舎の公演「ソ・ソ・ソ・ソ」がありました。関西の老舗劇団の一つである遊気舎の芝居を観るのは、実は、昨日が初めてでした。昨日は、ゲストに牧野エミ(タニマチ金魚)やや乃えいじ(PM飛ぶ教室)らを迎えた贅沢な役者陣。芝居は、ちょっとノスタルジックな家族の物語。父親の葬儀に集まってきた兄弟、その配偶者たちが、幼かった頃の思い出を辿り、家族となっていく物語。題名の「ソ・ソ・ソ・ソ」は、亡き母親の思い出につながる風鈴の音色を表しています。舞台には、亡くなってしまい、現実にはいない父親、母親も舞台上に登場という、最近では、よくある演出。芝居の雰囲気的には、や乃えいじが出ていたということもあるでしょうが、PM飛ぶ教室の芝居に感じが似ています。ただ、まだ、PM飛ぶ教室のテンポに比べて、許せる感じがしますので、次回も狙ってみようかと思うのですが、細かな言葉の掛け合いで、意図的に、間をずらすのは止めて欲しいです。ウォーキング明けの黄紺にはきつく、前半は、かなり瞼が重くなってしまいました。
 芝居がはねると、森小路駅ではなく、途中で道をそれ、地下鉄谷町線「千林大宮」駅へ。こちらから、一挙に、谷九経由で日本橋駅へ。文楽錦秋公演のチケットを買いに文楽劇場へ。そのあとは、時間調整のために、日本橋駅上のネットカフェで、ちょうど1時間ほど過ごし、最近、よく行く定食屋さんで晩ご飯を食べたあと、桜川に千日前線で向かいました。桜川3丁目劇場で「第6回7時だよ!8人集合」に、初めておじゃましました。こちらの会は、入門10年未満の落語家さんと講談師さんの会です。普通の落語会ではない雰囲気を持つということは、動画サイトに、演者が投稿し宣伝をしていますので知ってはいました。ですから、一度は覗いてみたいと考えていた会だったのでした。8人のユニットで行われている会ですが、6回目まできて、全員揃ったことがあるのは、1回あるかないかということらしく、昨日は、三四郎(司会)、三幸、まめだ、ぽんぽ娘の4人だけの出演となりました。番組は、幕開けトーク、セブン・エイト新メンバー・オーディション(さろめ)、1分間演芸、暗闇でラジオ・トーク、三幸「クレーマー・クレーマー・センター」というもので、全部で、開演7時、終演9時半という長丁場となりました。オーディションは、さろめに、無理な要求を出したり、美形だということで、顔に墨塗りをしたりするもので、ちょっと長すぎかなというところ。一分芸は、三幸の「家紋」ネタが秀逸。三四郎のショート落語「占い」も良かったかな。ぽんぽ娘のメイド漫談下ネタだらけというものと、ようやく遭遇できました。ぽんぽ娘、今年で30歳、徐々にやりにくくなるでしょう。三四郎のレスリング・タイツ姿も、初遭遇。まめだは、ぽろ出しをしてしまい、脇から引きずり下ろされました。照明を全部落とした中でのDJは、おもしろい試み。昨日は、三幸とまめだ、三四郎とぽんぽ娘という組み合わせになったり、時間が押したこともあり、短時間で切り上げられたため、おもしろ味に欠けましたが、条件を変えれば、かなりおもしろくなるのではとの予感がします。そして、最後は三幸が、自作の新作で締めてくれました。番組の中で、つなぎに映像を用いたり、斬新な試みが行われたりと、企画に関わる方が、別途控えているのかなぁという催しです。そのときおりの試みにより、おもしろかったり、そうでなかったりとするでしょうが、ちょっと毛色の変わったユニットだと言っていい試みだと思います。他の会とバッティングしたときの優先度を上げるべきかなと思い出しています。




2009年 10月 9日(金)午後 11時 18分

 3連休前の金曜日、とってもいい日なのですが、完全な寝不足の厳しい条件のもと、昨日に続いて繁昌亭に行ってまいりました。今夜の繁昌亭は「テーマ落語会VOL.3〜稽古つけてくれた師匠、ごめんね特集〜」があり、昨夜に続いて盛況の繁昌亭でした。一昨年から続いているこの会は、「シシババ」ネタから始まり、今年も、新たなテーマを設定して行われました。番組は、たま「寝床」、福笑「代脈」、三喬「首の仕替え」、(中入り)、生喬「牛の丸子」、福笑「世帯念仏」というものでした。いきなり、たまの「寝床」で始まりましたが、これが素晴らしい出来。今日は、近所の人たちが来れないところを押さえ、逆に、店の人たちが、浄瑠璃の会に出れないわけはありませんでした。そして、いとはんに、すねる旦さんを説得させます。これは、前から、たまの採っていた手法。今回、おもしろかった趣向に、「女殺油地獄」の言葉を使い、また、「女殺油地獄」を聴いて、玉子屋さんが倒れたとし、その演目が始まると、危険信号となるとしました。これは、噺の展開の中で、とってもいいアクセントとなっていました。今日の客は、「寝床」の展開を心得ており、そのおかしさを熟知しているということを前提に、新手のアイデアを、たまは持ち込みました。それに加え、どうしたのだろうと思うくらい、口舌がクリアで、ホント素晴らしい高座だったと思います。「宿屋仇」とともに、たまベストに数えることのできる高座でした。福笑の「代脈」は、確か2度目。前半は、ちょっととってつけたようなダジャレ、ボケで、福笑ネタにしては低調。だが、終盤に向けて、グレードアップが著しく、本来の福笑節に戻っていきました。三喬は、出てくるなり、「もういいでしょう?」「すごい師弟やわぁ」「あれで、まだ、たまがおりてきたら、師匠の方から、こうした方がええという指導が入るんですよ」と言い、呆気にとられた様子。確かに、この二人のあとに出るのは、大変。でも、その空気を一変させる力を持っているのも、三喬。見事です。「首の仕替え」は、「鳥屋坊主」とともに、文紅からもらったもの。ついでに、「饅頭怖い」は、米之助からもらったと言ってました。「首の仕替え」の前段は、「色事根問」。「首の仕替え」屋は、 ドイツ帰り。陳列棚に並ぶ首は、ちょっと古いかな。新しいネタは、韓流スターくらいというのは、残念なことです。「牛の丸子」は、最後の最後で、以前「らくご道」で演じたスタイルを崩しました。最後ですので、「崩す」と言ってたのにと思いながら聴いていると、こういうことだったのかと、納得。村人たちも悪人にしてしまってから、下げに入ります。それにより、干し鰯屋を名乗る男たちの罪が軽くなねようになるのです。でも、しっくりしないなぁ。生喬は、もっと後味が悪くなるかもと言ってましたが、そうじゃなくて、田舎に似合わないものを持ち込んでしまったという違和感です。なお、このネタは、文団治の速記本8割、米朝全集2割の割合で覚えたものだそうです。「世帯念仏」は、神戸の寄席に、先代の春蝶と出ているときに、春蝶が演じているの観て覚え、春蝶自身にも許可をもらって演じるようになったと言ってました。「どうせ、崩すんやろ」と言いながら、「春蝶兄さん」は許してくれましたと言ってました。「春蝶兄さん」という言い方が、胸をくすぐります。春蝶も、このマクラをふってましたがと、「陰陽」の話で客をわかせてからネタへ。義父の遺産相続の話が入ったりとマイナーチェンジはあったでしょうが、わりかし福笑にしては、オーソドックスな古典落語の形を留めながら演じてくれました。こういった姿は久しぶりに見る思いです。文紅、米之助、春蝶と、懐かしい名前が出てきて、それらを公にしてから演じてくれましたので、ほっかほか気分で楽しむことができ、寝不足できつかったのですが、なんとか持ち堪えました。企画のみならず、実際の高座もグレードが極めて高い会で、3連休イヴにいい思いをさせてもらい、大満足でした。




2009年 10月 9日(金)午前 0時 31分

 3日ぶりの夜遊び、それに、ちょっと間のあいた繁昌亭。今夜は、「繁昌亭夜席〜第二回 繁昌亭各賞受賞者の会〜」がありました。 出演者が良く、トリが吉弥ということで、立ち見席も出る盛況。売り出し時の勢いは、そないに激しいものではなかったので、実際に、繁昌亭に行き、混雑ぶりにびっくりでした。番組は、三四郎「刻うどん」、吉坊「胴斬り」、歌之助「佐々木裁き」、三風「下町商店街」、(中入り)、かい枝「野ざらし」、吉弥「親子酒」というものとなりました。本日の秀逸は、文句なしに、吉坊。吉坊らしくない猟奇的、且つ、落語的珍妙さを併せ持つネタを、その特徴をクリアに描き切り、素晴らしい出来栄え。この手のネタで成功を収めると、この人の落語は、幅が広がっていきます。それに対し、それこそ、今後の上方落語界を背負って立つ人たちが、それぞれの得意ネタを出したにも拘わらず、何かしら気になることが続きました。歌之助ベストを選ぶと必ず入るであろう「佐々木裁き」は、噺が進むにつれ欲しいクレッシェンド感を、今日は感じられなかったのです。奉行の出す問題への対応が、個別になりすぎてたのかなぁ。「野ざらし」も、かい枝の得意ネタ。釣りをして騒ぐ男につっ込みを入れる男たちの言葉の掛け方を、以前に比べ後ろにずらしていました、軒並み。歌う歌も、敢えて文句が判らないほどの小声にしてみたりもしていました。間を空けたのは、呆れてしまい度を上げようとしているのでしょうが、今日は、うまくいってなかったな。小声の部分は、アクションで前へ進めようという試みでしょう。ちょっと試行錯誤の段階かな。この意欲は買えますね。吉弥も、満足できなかったのです。まず、明らかに雀三郎型です。ですから、雀三郎の口演がトラウマとなり、薄味雀三郎を見ているようで、その薄味感覚が、決していいとは思えないという意味で、トラウマに引きずられてしまってました。それは、酔い方にも満足できないということでもあります。三風は、ちょっとネタが弱かったですね。断髪をする相撲とりが、なんで、舞台となる商店街でかと考えると、わけが判らなくなりました。前座役の三四郎の「刻うどん」は、たま風デフォルメに、更に三四郎オリジナルな試みが入りますが、ノリがイマイチなところがあります。くすぐりのアクションと他の部分とのテンションが違うのが判り、統一体としての噺にはなりきってなかったあと思いました。イメージ的には違うのですが、三四郎には伝統的な型で精進して欲しいな。




2009年 10月 5日(月)午後 11時 39分

 今日は、先週と違って、仕事がめいっぱい。でも、夜遊びにはお出かけ。いや、仕事が立て込んでいるときこそ、夜遊びは大切なのです。今夜は、噺家さんによるトークショーに行ってまいりました。高津の富亭でありました「第6回月亭遊方・林家染弥の蔵出し!うちわ話」です。今回で、6回目だそうですが、今まで、他の会とバッティングを繰り返し、おじゃまをするのは初めてでした。進行は、毎回、ゲストを迎え、予め用意をした質問を、ゲストにぶつけ、それを話の糸口にしていくというものでした。今日のゲストは、雀太ということで、進行役の二人に比べると、かなりキャリアが落ちる入門7年半の噺家さん。米朝一門でありながら、わりかし物言いが厳しいということでのチョイスという説明がありました。質問は、「困ったことのあったときの解消法は?」「座右の銘は?」「好きな芸能人は?」などでしたが、雀太のことでは、去年の北海道暮らしのことが、包み隠さず話されたことが印象的でした。自分の会で、延々30分、オチのないマクラをしゃべったりしたことがあったりしましたので、昨年の北海道行きも関係があるのではと思っていたのですが、当たってしまいました。そのときの様子や、過去の体験などを聴くなかで、この人の持っている心の病と呼べるものの、より正確な実態を知った気がしました。その話が一段落すると、演者と客との関係にテーマが移りました。「噺家であることを隠すかどうか?」「何か芸を求められたときの対処法」「掲示板などに書き込まれた落語評をどう見るか」などが話題となっていました。最後に、タイムオーバーのなか、街で、「つる」「刻うどん」「阿弥陀池」を実践したときの録音テープが流され、お開きとなりました。「できちゃった」なんかでは、あやめやたまに乗せられつつ、セーブされつつの遊方を、果たして染弥がかみ合っていけるのかと、気になりつつ見に行ったのですが、染弥は、高座同様、実直に話をまとめたり、展開させたりで、なかなか楽しいトークになりました。ゲストも、先輩ら二人に上手にからんでいき、いいゲストだったんじゃないかな。




2009年 10月 4日(日)午後 8時 38分

  京都市遊歩(6)写真集

 今日も昨日に続いて、京都府立文化芸術会館でありました文楽に行ってまいりました。当初、今日は、息子と行くことになっていたのですが、息子が、大事な仕事の予定を抜かしていたために、あえなくボツ。代わりに、職場の同僚で、文楽のお好きな方に譲りました。今日の番組は、「卅三間堂棟由来〜平太郎住家より木遣音頭の段〜」「本朝二十四孝〜十種香の段、奥庭狐火の段〜」というもので、「本朝二十四孝」が始まる前には、豊竹清十郎襲名披露がありました。吉田蓑助と桐竹勘十郎の挨拶があり、そして、三人が揃っての「本朝二十四孝」があったというわけです。これは、昨年の東京・大阪の襲名披露興行で行われたと同じ趣向です。ですから、大阪で見ていますから、「本朝二十四孝」は2度目となりますが、今日は、ホントに大御所二人の人形遣いの凄さを知った思いがしました。桐竹勘十郎の信頼の位の高さ、まるで能の居グセを観ているようでした。吉田蓑助さんは、可哀想な濡衣、なんて言う色気でしょう。主役の八重垣姫のような華やかな存在ではありませんが、信頼と通じた女性です。その色香が出ないとダメです。その難しい女性の雰囲気、これも座ってるだけで出てくるのです。これも、居グセの位っていうやつです。それに対し、八重垣姫は、若くて、恋にときめく女性で、そわそわするのでしょう、でも動きゃいいものではないはずです。その辺が、清十郎と、あとのお二人との違いなんでしょうね。「卅三間堂」の方は、母子の悲しい別れという話ですが、最後の切り倒された杉の木を運ぶまでの情感が薄かったでしでしょうか、もう一つ、ピンと来ませんでした。「本朝廿四考」の方が、響いたな。やはり、人形遣いのお二人の至芸と、嶋大夫さんの浄瑠璃がたまりません。あのだみ声かかった声で、どうして八重垣姫の可憐さ、無邪気さが出るのだろうと思う技に感服です。今が旬の太夫さんです。だけど、「奥庭狐火の段」の憑依状態の八重垣姫の飛んだり跳ねたりが好きくなれないのです。おもしろいのですが、それだけなのです。やたらと、能が観たくなりました。文楽的表現にしっくりこないものを感じてしまうのです。
 文楽が終わると、ご一緒した方とは、会館の前で別れ、早速、ウォーキングに取りかかりました。今回は、大徳寺・船岡山を目指し、うまく行けば、金閣寺や白梅町方向を目指そうと考えていましたが、大徳寺に行き、その背後にあるいくつかの箇所を巡っていますと、あえなく時間切れ。船岡山にすら行くことができませんでした。詳細なコースを記しますと、京都府立文化芸術会館〜御所(京都御苑)〜霊光殿天満宮〜白峯神宮〜興聖寺〜水火天満宮〜玄武神社〜若宮八幡宮〜雲林院〜大徳寺〜総神社〜源義経産湯井ノ遺趾碑〜今宮神社〜京都市バス「仏教大学前」停留所となりました。天気は良く、ちょっと気温は高めでしたが、ウォーキングをするには、わりかしありがたい天気。京都市内を歩いていますと、ホント、寺が多いことを、あらためて認識。そして、ちょっと動くと、簡単に、次の名所旧跡に出会います。季節柄でしょうか、観光に来たであろう人に、よく出会いました。大徳寺に、そのような人が多いのはともかくも、びっくりしたのは、白峯神宮。蹴鞠がらみで、スポーツの神様で売っているからでしょうか、修学旅行生が、マイタクシーに乗り出入りしておりました。水火天満宮の祭りに偶然出会えたのは、ラッキーなことでした。子ども御輿が、先へ進んで行っても、後ろからついてきますので、チェック漏れの神社があるのではと、周辺を探してみて、若宮天満宮を発見できました。そないで、かなり密度の濃いウォーキングとなりました。一度、ゆっくり大徳寺の各塔頭を巡ってみたいですね。ウォーキングをしているときは、無料で入れるところしか入らないと決めていますので、じっくり観てみたいなの気持ちです。そして、それから、大徳寺を起点にウォーキングをするなんてことがあってもいいなと、歩きながら考えていました。




2009年 10月 4日(日)午前 8時 48分

  京都市遊歩(5)写真集

 昨日は、午前中、通常の勤務。振り替えが効くとは言え、土曜日の朝、いつものように出かけるのは、はなはだきついものがあります。夜は、京都で文楽を見る予定となっていますので、昨日は、京都でウォーキングをすることにしました。いつぞや久世橋まで行き、最寄りの駅へ引き上げたっていうことがありましたから、昨日は、その南の久我橋界隈を攻めてみようかと考えました。詳細なコースは、京阪「中書島」駅〜三栖神社〜肥後橋〜旧伏見港〜三栖橋〜三栖神社〜山本本家横大路蔵〜田中神社〜羽束師橋〜誕生寺〜久我橋〜天神側道橋〜京川側道橋〜高瀬橋〜近鉄「伏見」駅というもので、所要時間が、2時間半を超えてしまいました。久我橋を渡っていると、後ろから来たバスに追い越されてしまい、万事休しました。昨日、行ったのは、正に、伏見の秘境とも言えるところ。羽束師と久我は、これが起こりうることがわかっていながら、欲張ってしまいました。なんせ、1時間に1本というバスの具合では、そうしようもありません。失敗の一番の原因は、肥後橋から旧伏見港を眺めたとき、土手の緑に目をとられ、迂闊にも、昨日はコースから外していた旧伏見港に行ってしまったこと。それで、羽束師橋を渡る前に、1時間を超えてしまってたこと。時間が、思いの外、かかってるにもかかわらず、久我まで行ってしまったこと。羽束師橋と久我橋は遠かったぁぁ。羽束師橋を渡らない勇気か、せめて、一度渡った橋を、再度渡って引き返すのでした。でも、桂川沿いっていうところは、捨てたものではありませんよ。
 ウォーキングのあと、少し家で休息をとってから、夜6時から開演の文楽に行ってまいりました。場所は、京都府立文化芸術会館です。今月は、地方公演の月ということで、京都で文楽鑑賞ができたのです。京都府立文化芸術会館開館40周年記念ということで、京都での開催が実現したようです。ただ、昨日は、ウォーキングに想定以上の時間を要してしまい、かなりぐったり。もろに影響が出てしまいました。番組は、「絵本太功記〜夕顔棚の段、尼ヶ崎の段〜」「日高川入相花王〜渡し場の段〜」というもので、「絵本太功記〜夕顔棚の段、尼ヶ崎の段〜」は、3度目くらいの遭遇。題材もポピュラーだし、文楽らしい義理の世界がドラマチックに現れてきたりするらしい演目のために、上演頻度の高い作品。だから、クライマックスの母親を、光秀が殺してしまう場面が、いつだろうかと心待ちにしているのに、なかなか、その場面が出てこない。光秀の息子が瀕死の重傷で現れても、光秀が、物見のために木に登っても、秀吉と対峙して、この幕が終わっても出てこない。おかしい。パンフレットに目をやると、光秀の息子がケガをして出てきたときには、期待の場面は終わっていたのです。全然わからないほど、ダウンしていたみたいです。「安珍清姫」伝説の「日高川入相花王」は、渡し場で渡す渡さないのやりとり、渡さないなら自分で渡る、そして、実際に渡るときに蛇体になるというだけ。さんぶと飛び込むときは、娘姿のまま、途中、蛇体に変身、能の「道成寺」同様、鱗模様の着物に変わります。これが、とっても早業。そして、向こう岸に渡る直前に娘姿に戻るというものです。来年1月の公演にも出ますが、もう期待しないでおきます。




2009年 10月 3日(土)午前 0時 20分

  守口市(7)〜大阪市鶴見区、城東区、東成区写真集

 今日は、仕事に少し余裕があったので、雨が降ってたのですが、ウォーキングをすることにしました。夜は、トリイホールに行くつもりでしたので、あとの移動を考えて、京阪「守口市」駅から、ほぼ南下するというコースを考えました。ただ、歩き始めから40分後くらいから、雨がひどくなり、どこかで切り上げねばと思っていると、ラッキーなことに小降りとなり、最後まで続けることができました。職場からの出掛けに、外から電話が入り、こちらの時間設定の思惑が崩れ、今日のウォーキングは、所要時間、1時間55分での切り上げです。ちゅうことで、コースを詳しく書きますと、京阪「守口市」駅〜大枝公園〜南寺方公民館〜南寺方西公園〜金剛寺〜花博記念公園鶴見緑地〜関目自動車学校〜放出大橋〜阪東大橋〜地下鉄中央線「深江橋」駅となりました。鶴見緑地と書きましても、あの雨では、中に入る気もせず、横の道を歩いただけという感じです。途中では、「高井田」駅を目指そうかと、放出大橋方向にコースをとったのですが、時間的に安全策を考え、「深江橋」を到達点に選びましたが、最初から放出大橋を通らないと決めていましたら、近鉄線まで行けたかもしれません。
 「深江橋」から「堺筋本町」経由で、「日本橋」に到着。ゆっくりと食事をとれ、また、余裕を持って、今夜の目的地トリイホールに行くことができました。今夜のトリイホールでは、「第26回TORII講談席〜神田松鯉師を迎えて〜」があったのですが、神田松鯉は、東京の神田派の総師です。番組は、南青「難波戦記:後藤又兵衛の入城」、松鯉「源平盛衰記:青葉の笛」、南鱗「水戸黄門漫遊記:荒浜の藤蔵」、(中入り)、南海「忍術名人猿飛び佐助」、松鯉「名人小団治」というものでした。ウォーキングのあとで、最近は、疲労が、簡単に出てしまい困っていましたが、今日は、なんと、松鯉のときに、全部、それが出てしまい、不運な話です。しかし、松鯉のクライマックスのところで、搾り出すようにして昂揚した気分を出す声は迫力ありますね。それが聴けただけでも、満足です。以前聴いたときには、型を大切に、その美しい語りを聴かせる人だなと思ったのですが、とんでもありません、もっとスケールの大きな方でした。「青葉の笛」は、敦盛と熊谷次郎直実の物語。「名人小団治」は歌舞伎界のお話です。大阪の講談師さんのネタは、南海さんのネタ以外は、聴き慣れたもの。「荒浜の藤蔵」は、最近、とってもよく遭遇します。街のごろつき相手に、黄門様が頑張ってみても、あまりおもしろくないですね。やっぱ、悪代官のようなのが出ないとあきません。今日の南鱗、小拍子の叩きすぎが気になっちゃいました。南青のネタは、後藤又兵衛の軍資金集めのおもしろ話。南海のネタも、「難波戦記」。少年佐助が、猿に助けられて忍術を身に着け、やがて「猿飛」を名乗るまでの話。能「嵐山」の替間みたいで、猿語の飛び交うチャリ・ネタ。おそらく南海さんの脚色90%以上のネタでしょうね。




2009年 10月 2日(金)午前 0時 25分

 今夜は、落語会の選択で悩ましい夜。どうも、そそられる会が重なる傾向。今日は、動楽亭のさん都の会、高津の富亭での文福一門会と、どれを選ぶかで迷って、最も正攻法なチョイスで、ワッハの4階でありました「第23回お笑いまん我道場〜大阪編〜」に行ってまいりました。番組は、石松「播州めぐり」、まん我「紙入れ」、花丸「千早ふる」、まん我「二番煎じ」というものでした。まん我のネタ出しはなく、ゲストのネタは出されているというものでした。終わってみると、それぞれの出来が素晴らしく、とってもグレードの高い会となりました。なかでも、石松の出来の良さは、こないな言い方をして申し訳ないですが、ホント、めっけものの出来。あとから上がった花丸も、まん我と言ってたのだがという言い方で、「このネタ、まだ使えるな」と言っていました。このネタをして、二人に、そう言わせるだけの仕上がり具合だったのです。二人の掛け合いで、小さいボケの連続に、小さな突っ込みの連続。それぞれが、小さなものだということを十分認識して、突っ込みは小さく、話を大きくせず、ついてこれてなくっても、また次に、しかもすぐにボケてくれるからなの姿勢を貫き通します。なんと、松之助からもらったものだそうで、福笑・たま、阿か枝、それぞれのラインでない雰囲気を、石松が披露してくれました。ホント、石松を見直しました。松之助との出会いで、大化けです。もう一人のゲスト花丸は、それこそ花丸スペシャルと呼べる「千早ふる」、久方ぶりの遭遇です。浪曲から宝塚、最後はイタコまで登場させる発想力に、ホント、脱帽です。まん我は、「紙入れ」の方に一票です、自分的にですが。「二番煎じ」では、見回りの役人までが、えらく長く、役人が現れてからは、あっさりと終わります。一応、そういうことでバランスをとりましたが、落語界最強のいじられキャラの宗助さんに旨味を看たからでしょうか、後半、役人には酔わさないのです。まん我の技で、もたすことができるために、構造的に、ちょっと迷走です。「紙入れ」のときは、長大なマクラ。紅雀が、以前ぼやいていた小浜での落語会を、まん我も苦労しての往復をしたってことが、まず、前半。紅雀から聴いているだけに、余計おかしみが出ました。後半は、艶笑小咄なんかをやりました。そして、ようやくネタが見えてきたのでした。ネタの方は、おいしい後半をくさくなく描かれてしまうと、なんか物足りない。それでいいんだと、頭の中では思うのですが、最近、接する「紙入れ」は、待ってましたとばかりに、しつこく描く人が多く、それに、慣らされてしまってる自分に、驚き。擦り込まれてきてるんですねぇ。




2009年 9月 30日(水)午後 10時 13分

 今日は、久しぶりの雨、寝不足も、ほんのちょっとだけ解消。まだまだ寝不足状態は続いているのですが、昨日の状態よりはましという程度。そんななか、千日前の上方ビルに行ってまいりました。4階にトリイホールが入っているビルの3階の「徳家」という店 が、寄席小屋に変身する日に、今日は当たっていたのです。その席は、徳徳亭と名付けられています。そして、今夜は、こちらで「第2回なんせいの講談格闘中!」があったのです。店内のテーブルは、横に片付けられると、30人くらいは入れるかもしれないスペース。個室が一つだけ開放され、そこに、高座が設えられていました。今日は、お手伝いの弟弟子の方々も来られてない、南青くんの全くの一人舞台。演題の「太平記〜楠木正成〜其の二」は、以前、講談毎日亭で、南青くんが、1ヶ月通しで読んだ思い出の読み物。あのときは、7月だったこともあり、1/5程度しか聴きに行けなかったのではないかという記憶です。今日は、2回目ということでした。ところが、今日は、昨日よりはましでしたが、あかんかったのです。まだ、多聞丸という名前でしかなかった少年正成は、間者を投げ飛ばしたり、八尾の別当兼行を戦でくだしたりという、いかにも講談という活躍。ここまでで、時間は、どのくらい経過していたのでしょうか、断片的に入ってくる話が、なんのことだか、全然分からなくなってしまうところまでいっちゃいましたから、結構なダウンをしたみたいです。やはり、体調を整えないと、楽しいことも楽しくなりません。猛省しないとあきません。




2009年 9月 29日(火)午後 10時 3分

 今日も、肩こりが異様に進み、もう背中まで、こりこり。夜遊びの方は、谷六の南海さんの続き読みの会に行くか、お初天神であるこごろうの会に行くかで、迷いに迷いました。昨日までは、迷うことなく、南海さんの会に行くつもりだったのですが、この2日間、寝不足がひどく、一人会だと、一度寝たらおしまいなので、落語会だったら、交代するときにはお囃子も鳴るので、目覚まし代わりとなるので、落語会かなと思い出したのです。天満橋駅を降りるまで迷っていたのですが、最後は、おかしな判断で、南海さんの会に行った方が、早く帰宅できるなということで、谷六に向かうことになりました。谷六の薬業年金会館であった「第146回旭堂南海の何回続く会?」に行くことになったのです。やはり、懸念していた通りになってしまいました。あれ、おかしいぞと、最近、ダウンする前に、自分がとってしまう行為を始めたのが、マクラとなる話が終わって本題に入った直後くらいにとってしまいました。眠いとか感じてなくても、目に違和感を感じ出し、自然と目を押さえたりいじり出すんですね。気が付くと、その行為を行ってしまってました。飛び飛びに復帰をしても、全然わからない、いやわかろうとする前に、新たなダウンが始まってしまう、そないな状態でした。つくづく思いました。講談か落語ではない、第三の道を取るんだったと。要するに、そこまでの寝不足、肩のこりならば、まっすぐ家に帰って、大人しくしてるんだったと。ところで、今日の演題は、「戦国武将列傳の十一 『真田三代記』(九)」というものでした。話の内容は、関ヶ原の合戦で、徳川についた兄、三成についた父と弟、その合戦の模様が語られたのでしょうか? いずれにせよ、最後には、家康に対し、助命を嘆願する兄の姿がありました。この後、幸村親子は、紀州の山中に14年間、蟄居生活を強いられます。そして、冬の陣に向けての真田の入城という話になっていきます。ところが、講談のすごいところは、これだけのヒーローを、14年間放ってはおきません。幸村は、この間、人材探しのために、日本全国、旅をするそうです。題して「諸国漫遊記」、次回から、これがスタートするそうです。




2009年 9月 28日(月)午後 11時 6分

 猛烈な肩こりに悩まされた1日、今夜は、繁昌亭に行ってまいりました。繁昌亭は、やっぱ続きます。土曜日に行ったところだったのに、すぐに、この夜席です。今夜は、「可朝・福團治 二人会」があったのです。番組は、福丸「刻うどん」、福車「代書屋」、福団治「蜆売り」、(中入り)、文福「相撲甚句など」、可朝「算段の平兵衛」というものでした。福丸は、久しぶり。入門間もない頃に聴いた「天狗裁き」が、強く残っているため、さばけた高座に出会うと、ホッとしますが、まだまだ、さばけきってないところもあり、今後の変身具合を見ていきたいなというところです。福車は、土曜日の昼席と同じネタ。その高座は、半寝だったもので、ちょうどいい再会です。今、半寝だったと書きましたが、今日、聴いてみると、だいたい終盤の職歴のさわりまでは大丈夫だったことを確認できました。あっさり系やなぁという印象は、再確認。いちびりすぎのしつこい系でないところに、福車のこだわりがあるのでしょうね。福団治は、季節外れの大ネタ。なんとなく、これが出そうな気がしてました。内心は、「ねずみ穴」を期待していたのですが。最近は、まん我で聴く機会の多かったネタ。蜆売りを招き入れてから、親方との対話が始まってから、親方の感動とか同情の高揚というのが、今日の福団治の口演では、あまり伝わってきませんでした。寒さや冷たさなんというのも、スパイスが風邪をひいたような伝わり方。周りにいる若い者の単純ではあるのだが、親方の感動を受け入れていく様子も、とってつけたようで、頼りないのです。まん我の「蜆売り」の評価が高いのは、そのあたりの課題を自覚し、乗り越えたと考えられたのかもしれません。文福は、普段着の上に、法被を羽織って登場。急に頼まれたのでと言ってました。そして、可朝。「算段の平兵衛」は、初めて落語会に足を運んだとき聴いて、「天神山」とともに、落語に吸い寄せられた噺。小米朝時代の可朝です。考えてみれば、可朝では、このネタは、それ以来です。鮮烈な印象を残した、40年以上前の印象は、とにかくぶっきらぼうな演じ方。それが、ピカレスク噺にぴったり感を感じ、この人、すごいなぁと、初めての生落語体験で思ったのでした。そういった意味では、盆踊りの場面が、今日は物足りなかったなぁ。でも、声を落としての話っぷりは、衰えを感じさせないものを味わえました。そして、今日は、とっても貴重な体験をしました。40数年前も、米朝が切るところで切り上げましたが、今日は、サゲまで行ったのです。あんまの強請に遭い、ついには牢に繋がれてしまった平兵衛、お仕置きを受け、ぐったりしているところに、コインが転がってきます。「金のためならなんでも話します」という、金に執着するあまり、自白するというオチでした。そうか、これは、あまりおもしろくない展開だということは納得ですが、さりとて、通常切り上げるのも、変なのです。算段の結末を知りたくなる客に、黙って教えない、それが、あまりに中途半端なのです、いつもの終わり方は。天秤に掛けると、最後まで演じるという方を支持したいですね。




2009年 9月 28日(月)午前 0時 22分

  大阪市遊歩(19)写真集

 今日も、昨日と同様、わりとタイトにスケジュールを立てました。ただ、午後の部が、昨日よりは遅かったものですから、お出かけの目安を、10時40分におきました。今日も、午後の行動を考えて、ウォーキング計画を練ったのですが、阪神なんば線を有効活用することを思いつき、再度、西淀川区にチャレンジしてみようということにしました。最後に、阪神なんば線方向に行かねばなりませんから、起点を、京阪の「渡辺橋」駅とし、淀川大橋を渡ることにしました。細かなコースを書きますと、京阪「渡辺橋」駅〜田蓑橋〜JR環状線「福島」駅〜福島聖天〜八坂神社〜淀川河川敷〜淀川大橋〜野里本町商店街〜野里住吉神社〜歌島橋〜千船大橋南詰〜大和田住吉神社〜千北橋〜阪神なんば線「出来島」駅となります。今日もまた、見通しを誤りました。橋を渡るまでが、1時間かかるとは思っていなかったところは、完全にミス。橋を渡るだけで、10分では済みませんから、渡ってから時間がなくなっていきました。阪神なんば線に行かなくっちゃの頭がありにも拘わらず、反対方向の野里住吉神社に行ったのも、失敗。これも、欲張りのなせる業。たとえ行ったとしても、阪神なんば線の「福」駅に行かなくっちゃならなかったですね。そんなですから、最後は、かなり焦りました。初めての土地なんで、実際に道が、どないになってるか、その場でないと判らないことがありますから、余裕を持って動かないとダメですね。
 「出来島」駅では、タイミング良く電車に乗れ、事なきを得ました。午後は、トリイホールでありました「柳亭市馬独演会〜ご愛顧30年〜」に行ってまいりました。市馬の人気は、大阪でも定着し、もうすし詰め状態という入り。番組は、市也「真田小僧」、市馬「船徳」、(中入り)、姉様キングス「音曲漫才」、市馬「御神酒徳利」というもので、市馬は、名作2題です。滑稽度の高い「船徳」よりか、自分的には、「御神酒徳利」の方が良かったかな。滑稽部分に対し、演者が瞬間的に我に返り、呆れるというか、突っ込むというか、その辺の間合いが絶妙な市馬ですが、「船徳」の場合は、そういった、瞬間的に離れるという場面が作りにくいと言えば作りにくいネタなんで、ちょっと流れた感じがしたのが、敢えて言えば、「御神酒徳利」を推す理由です。でも、その「御神酒徳利」は丁寧過ぎたかな、おもしろ話を語って聴かせるという点では、十分だったのですが、嘘がばれるんじゃないかというところのドラマチックな雰囲気とかが出ると、より良くなりそうな感じがしました。それにしても、声が良いというのは、大きな武器で、安心感の上で聴けるもんで、これは大きい。
 トリイホールでの会が終わると、早足で出て行く落語ファン数名、恐らく、繁昌亭での鶴志の会の開演時間が迫っていたからでしょうね。トリイホールの会がはねたのが、ほぼ5時半。繁昌亭の夜席は、6時開演でしたからね。黄紺は、7時からの動楽亭の会に行くつもりでしたので、逆に、トリイホールのちょっと南にあるネットカフェで、30分余りの時間調整が必要でした。今夜の動楽亭では、「できちゃったらくご!」があったのです。今日は、遊方が案内役、ですが、師匠の八方と話してる中で、実験的なことをやりたくなったということで、トップバッター役を引き受け、残りの5人で、出番を決める恒例のじゃんけん。それに基づく番組は、遊方「一人大喜利」、三金「増えた仕事」、三風「たたき売り」、南湖「冬中夏草」、(中入り)、遊方「続一人大喜利」、たま「マザコン教師」、あやめ「ノリピー復活プロジェクト」というものでした。すぐにでもネタとして使えるのは、あやめのネタ。いや、今が旬のネタです。あやめは、時事ネタをするとき、しっかりと背景を調べます。その手広さが、おもしろ落語を作る原動力なのでしょう。遊方は、「短い」と言いながら、立派に一つのネタというに足るもの。最初に高座に上がった内容を、あとの5人にだめ出しを喰らい、挽回を図って、中入りのときに再挑戦。ガチンコ大喜利に挑戦していました。時間がないと言っていた中からでは、たまは、新任教師の息子の職場に付いてきた母親を出したことで、大きく客を掴みました。南湖のネタは、秋の夜物語にでもと言ってましたが、そういった風情の、ちょっとお伽話っぽくて、ホラーが、若干入っている、なかなかおもしろい話を作り上げました。いろいろと色を付けて、ネタにでもして欲しいものです。三風は、バナナのたたき売りの口上を、フィリピン人にさせるというもの。余興で行った大館で出逢った秋田弁のポーランド人に刺激された作品。一番早くできていたとの触れ込みだった三金のネタが、営業に行ったときのぼやきとしか言えないもので、これは、マクラにこそなれども、ネタにはあかんでぇという代物でした。前回は、終演が、10時半だったとか。行けなくて良かったです。今日は、9時半には外に出ていました。




2009年 9月 27日(日)午前 0時 22分

  門真市(4)〜守口市(6)〜大阪市旭区写真集

 今日も、朝から真夏を思わせる気温上昇でした。そんななか、今日は、かなり立て込んだお出かけ予定を組んだものですから、ウォーキングは、午前中に済ませておこうということで、朝は、8時20分をメドに、家を出ることになりました。午後には、繁昌亭の昼席に行くことになっていましたから、アクセスが便利なようにと、門真・守口の淀川寄りの場所にコース設定し、最後は、地下鉄谷町線のいずれかの駅に到達できればいいかなと考えていました。細かなコースは、以下のようになりました。京阪「古川橋」駅〜黄梅寺〜庭窪浄水場〜パナソニック電工〜八坂瓊神社〜淀川堤防〜八雲神社〜淀川堤防〜豊里大橋南詰〜地下鉄谷町線「太子橋今市」となりました。当初は、鳥飼大橋方向には向かわず、城北公園方向を目指してということを考えていたのですが、八雲神社からさほど遠くないところに、八坂瓊神社を見つけ、更に、淀川のすぐ脇に、二つの神社があることから、淀川沿いに歩くことが、十分できるだろうと考え、上のような設定をしました。結局、淀川堤防を、鳥飼大橋のすぐ近くから、豊里大橋までの全部ではありませんが、かなりの部分を、しかも、いいお天気のもと歩けたのは、大成功かなと思っています。おまけに、最終地点が、谷町線の駅、所要時間も、2時間2分ということで、狙い通りのウォーキングとなりました。
 ウォーキングの終点「太子橋今市」から繁昌亭までは、谷町線一本で到着。おかげで思惑通りに、移動ができましたから、余裕をもって、繁昌亭に到着です。今日の昼席は、市馬が出て、福笑がトリをとるということでチョイス。米左も、初めての中トリというのが、目玉。その昼席の番組は、そうば「子ほめ」、たま「動物園」、慎悟「酒の粕」、笑丸「ほうじの茶」、市馬「目黒のさんま」、米左「一文笛」、(中入り)、青丸・とん子「漫才」、春駒「阿弥陀池」、福車「代書屋」、福笑「幻の財宝」となりました。最近、ウォーキングをしたあとの疲労度が、えらく高くなっています。今日も、繁昌亭の昼席では、例もないほど、ぐったりした時間帯がありました。慎悟のときは、ネタが何だったかわからないほど、意識喪失。米左は、「あっ、一文笛だ」と思ったところで、戦意喪失、だって、繁昌亭で見る米左は、いつも、これなんですから。あと、福車のときも、ダメでした。なんか、少し休憩して、持ち直し、また休憩しという具合でした。今日は、出演者が、客席が鈍いと看ていたようで、確かに、その傾向大だったと思います。たまが、「繁昌亭、初めての人」アンケートをとりましたが、とっても多かったですね。なんか、調子を計りかねているようなのは、客席の方もという感じがしました。でも、たまのショート落語の反応は、鈍すぎたなぁ。温め出したのは、目先で驚かせた笑丸、そして、市馬はさすが。小さんの永谷園ネタ、呼び出しの美声、痴楽の物まねと、次から次へと掴みネタを出して、温めました。「目黒のさんま」の殿さんのお坊ちゃま度が、特に良かったですね。そのあとに、「一文笛」は外しましたね。人情噺めいたものは、今日の客を困惑するだけだったでしょう。春駒での「阿弥陀池」は、記憶の範囲では、初物。最近は、ほとんどの人が省いてしまう便所に貼られた古新聞のくだりが入りました。これって、時間の関係で省こうとするときには省き易い箇所ですが、主役のちょっと頼りない男のキャラを提示するには、極めて有用な箇所なものですから、常日頃より省いて欲しくないと思っていたところ。ボケ倒すところは、省略型。どうしたのでしょうか、可能性としては、単純にミスかもしれないなと思える雰囲気があったものですから、論評は控えましょう。福笑は、全くノーマークのネタを出しました。「宝探し」的なネタがあるとは、そう言えばあったなぁ程度の予備知識でした。地震で閉ざされた洞窟内で発見した財宝、でも、外には出られない。すると、そこに現れた男が、出口を知っていると言います。ようやく外に出ても、危機が迫ってくる。果たして、財宝の行方は?という噺。こんな風に書くと、サスペンスもののようですが、そこはそれ、福笑テイスト満載のネタに仕上がっています。福笑の今度の昼席は、「春蝶襲名披露」のときです。
 繁昌亭がはねたあと、南森町のネットカフェで、1時間余りの時間調整。そして、JRを使って、鶴橋に移動。晩ご飯は、おなじみの韓国料理店「大長今」で、ユッケジャン。おいしいはずのユッケジャンのお味が、ちょっと変でした、今日は。なんか、出汁の味がして。夜の部は、雀のおやどでありました「第75回雀三郎つるっぱし亭」に行ったのです。今夜は、ワッハの7階で、林家花丸の会がありましたから、そちらと、客の取り合いになるかと思っていたのですが、会場は、すし詰め状態。雀三郎は、「ゲストに、三四郎と文三をよぶと違う」と言っていました。その三四郎ですが、NGKの文三の出番の代演に当たっているということで、出番が終わると、すぐに会場を去ったそうです。代わりの舞台番は、お手伝いに来ていた雀五郎が務めていました。ところで、番組ですが、三四郎「お忘れ物承り所」、雀三郎「肝つぶし」、文三「食通夜」、雀三郎「宿屋仇」というものでした。三四郎は、また一つ進化したんじゃないかなぁ。登場人物のキャラを設定し、それを、自分の描いた通りに演じる力を持っている、そんな風に思わせられることが、これで、3回目ですね。「子ほめ」「牛ほめ」に続いての3回目ということです。「食通夜」は、ようやく出会えました。そして、文三が、さしてかけようとしないわけが判りました。要するに、食べるだけのネタだからです。節操もなく食べ続けるネタで、気持ちのいいネタではありません。雀三郎は、今日のネタ両方ともに、ホント、パーフェクト。自ら場を設定し、その中に入り込み、成り切ったままの台詞が続きます。「胆つぶし」って、雀三郎の持ちネタだとは知りませんでした。あまり出ないしかな? 




2009年 9月 26日(土)午前 6時 57分

 連休明けの2日間は、夜遊びなしで帰宅。連休中のウォーキングの疲れが溜まってきており、僅か2日の仕事でしたが、わりかしきついものがありました。腰に疲労が溜まるのですね。腰痛とは、また違ったしんどさです。
 この間、かなり力を入れて、韓国ドラマ「復活」を見ていました。ネット上で、韓国ドラマの評判を見ていますと、頗る評判がいいのです。そのいずれをとっても、極上の評判だったもので、楽しみにして見始めました。そしたら、もう序盤から、もう唸りっぱなし。テンポがいい、構造がしっかりしている、登場人物のキャラがしっかりと描かれている、ストーリー展開の意外性などなど、いずれをとっても素晴らし過ぎます。それこそ、寸暇を惜しんでも、先を見たくなるドラマです。ストーリーの枠組みは、「グリーンローズ」風です。あらぬ罪を着せられた男ソ・ハウン(オム・テウン)の復讐劇です。自身にかけられた嫌疑を晴らすだけではなく、父や弟を殺されてもいるのです。そして、自らも殺されたとして、実際には、自分の替わりに殺されてしまった双子の弟になって、再登場してきます。これは、全くの序盤に起こる出来事。双子の役を、オム・テウンが、見事に演じ分けます。一人の人物が、違う人物となって現れる、これは、「グリーンローズ」で使われたプロット。そこには、人違いからくる悲劇が待っています。ソ・ハウンの恋人ソ・ウナ(ハン・ジミン)は、死んだと思っている恋人が、ソ・ハウンの方は、正体を明かせないという、これが繰り返されますが、ハン・ジミンの可憐さ、ソ・ウナとソ・ハウンの仲の良いところを、うまく見せられていますので、繰り返されても、その都度、しびれてしまうのです。共演者に、ソ・イヒョンがいます。役どころは、ソ・ハウンの父親殺しを指示した一人で、後に国会議員になっている男の娘で、記者として。ソ・ハウン殺害事件に関心持ちます。ただ調べれば調べるほど、事実に迫っていきますから、自らを苦しめてしまいます。という風に、登場人物が、複雑に絡み合っています。ソ・ウナも、冒頭の場面で、プールに飛び込み、人を助けますが、こないなものを用意して、ソ・ハウンの実母とソ・ウナが接触するという場面を作り出し、様々な人間関係が織りなす複雑な展開を作り出します。また、倒叙の手法も使われます。敢えて触れない重要な人間関係が、後半になり明らかになることも出てきます。そこで、またストーリーは大きく動きます。最初、序盤で、これだけスピードアップして、最後までもつのと思っていましたが、完全にもちました。これは、すごいことです。脇役陣も、なかなか芸達者揃いです。ソ・ウナの実父で、ソ・ハウンの育ての親(カン・シニル)、イ・ガンジュ(ソ・イヒョン)の父親(キム・ガプス)、J&C会長(キ・ジュボン)、同副社長(コ・ジュウォン)、ソ・ハウンの実母(ソヌ・ウンスク)、その再婚相手(イ・ジョンギル)、詐欺師でいい奴のパク・ヒス(イ・ドンギュ)、ソ・ハウンを支える探偵(キム・ユンソク)、班長(イ・デヨン)など、いい役者が揃っています。ラストは、あのようにせざるを得なかったのかなぁ。灯台のところで、二人が抱き合うとシーンを期待した人は多いでしょうが、ソ・ハウンの復讐劇は、不法な行いということを出したかったのでしょうね。「この週末に灯台で会おう」と、二人が誓ったところで、不吉な感じを持ってしまいました。




2009年 9月 24日(木)午前 5時 37分

  吹田市(1)〜茨木市(1)写真集

 とうとう、シルバー・ウィークも終わってしまいました。昨日は、落語会の谷間のような日になってしまったこともあり、春秋の恒例としています民博へ行ってきました。午前11時をメドに、家を出発。まず、民博で、秋の特別展「自然の声 命のかたち〜カナダ先住民の生み出す美〜」を見て、そのあと、平常展の展示館に入り、映像資料を見るといういつものコースを堪能。そして、3時半をメドに、外に出て、民博の前からウォーキングを始めました。特別展の方は、ちょうど1時から、研究員の方が、館内ガイドをされるということで、それに参加して大成功。展示についてのこだわりなんかが見えてきたのです。今回の展示品は、1階分については、カナダの文明博物館から持ってきたもので、且つ、展示品には、一切触れてはならないという条件付きでの貸し出しだったため、わざわざ学芸員が3名、展示のために来日されたそうです。カナダにとっては、国宝級の展示品であると同時に、展示のための補助器具などに、細かなこだわりを持ってられたと言うたはりました。そして、2階は、アート作品の展示になっていますが、こちらの方は、民博及び北方民族博物館(網走)の所蔵品だそうです。展示の仕方は、先住民の居住地により、4つに区分されていました。アートの方ですが、平常展示館の方で、映像資料を視聴できたのは、1時間ちょっと。見ることができた映像資料は、「ブルガリアのズルナ奏者」、「伝統のガルバ、アーメダーバートリ(インド)」、「バレンシアの聖母マリア誕生祭と管楽器ドゥルサイナ」というところでした。ブルガリアでも、ズルナっていうのですね。ドゥルサイナも、ひょっとしたらと思ってますと、どんぴしゃ。ズルナが訛っております。ついでに、「ブルガリア」で出てきた「ムスカ料理」は、「ムサカ」でした。但し、トルコ風ではなく、ギリシャ風でしたが。
 民博を出ると、そこからが、ウォーキングのスタートです。とにかく目指すのは、JRの「茨木」駅。そこに、どの程度で到達するかによって、それからのコースを決めようと、かなりアバウトなコース設定。阪急の「茨木市」駅程度でストップするのか、先鉾橋程度なのか、阪急「総持寺」まで行けるのか、その辺の目安は立ててはいました。幸い、茨木の中心部近くまで行くと、土地勘が、全くないわけではありませんので、臨機応変に対応ということでスタートしました。すると、民博からは、40分くらいで、JR「茨木」駅が視界に入ってきましたから、「総持寺」方向の欲張りコースをチョイスしました。安威川と茨木川の合流点を経由してから、「総持寺」駅に向かうというものです。細かなコースを書きますと、国立民族博物館〜大阪府立国際児童文学館〜万博記念公園東口・同競技場〜松沢池・名神高速道路〜大阪府三島府民センタービル・茨木警察署〜春日神社・茨木工科高校〜田中橋跡碑〜元茨木川緑地〜安威川・茨木川合流の碑〜田中大橋〜西河原橋〜西河原新橋東詰〜春日神社(庄)〜阪急「総持寺」駅となります。実は、せっかくこのようなコースを辿りながら、終点直前に、総持寺が視界に入りました。10分延長すれば、立ち寄ることはできたでしょうが、この著名な寺を残しておけば、また、それを目指して、こちらに来る気持ちが起こるかなということで、あっさりと断念しました。天候的には、かなりあぶないところで、雨には降られるということはありませんでしたが、替わりに、日が暮れるのが早く、「総持寺」駅に着いた頃には、もう、街の灯りが点く頃合いになっていました。秋分の日ですから、それだけ陽が落ちるのが早くなったこともあるのでしょうね。




2009年 9月 23日(水)午前 0時 13分

  守口市(5)〜大阪市旭区・鶴見区〜東大阪市(1)写真集

 今日は、普段同様の出勤、昼前までの仕事をこなし、あたふたと職場をあとにし、ウォーキングに出かけました。あとの予定を考えると、あたふたとしなければならなかったのです。そういった意味で、電車の都合を考えて、計画段階では、京阪「西三荘」駅を考えていたのですが、急遽、京阪「守口市」駅に変更しました。今日は、以前と違ったコースを辿り、鶴見緑地方向を目指そうとしたのです。細かなコースを書きますと、京阪「守口市」駅〜守口市体育館・守口市文化会館〜市杵島神社〜韓国家庭料理店「チャギ家」〜大枝神社〜光明寺〜土居駅前通商店街〜八幡大神宮〜護念寺〜花博記念公園鶴見緑地〜西三荘水路跡遊歩道〜横堤八幡宮〜今津橋〜比枝神社〜JR学研都市線「徳庵」駅となります。今回、ようやく鶴見緑地の中に入りました。横をかすっていたのですが、今日は、中を通るということを目的に、こちらの方向に向かいました。ただ、滝井の方角からアクセスしましたので、今回は、西の端を通るということになりました。という風に、少しずつ通過しますと、また来ようかなの気持ちが生まれます。今日も、歩き始めに、寄り道をして、まっすぐには鶴見緑地には向かいませんでしたので、地下鉄中央線や近鉄電車沿線まで行けませんでした。それも、また今度ということにしたいと思います。
 「徳庵」駅から、京橋経由で、午後の部の会場、雀のおやどのある「鶴橋」駅への移動は、とってもスムーズにいきました。確か15分に1本しか、学研都市線の普通電車はないはずと思い、着替えをあとにして、「徳庵」駅では、まっすぐにホームに行き、大正解。てなことで、今日の雀のおやどでは、「雀五郎体力強化の会〜その25〜」があったのです。喋らない噺家というキャラが定着した雀五郎ですが、その口演は、若手の中で、とみに評価は高いものがあります。今日の番組は、吉之丞「強情」、雀五郎「遊山船」、三象「アメリカ人が家にやって来た」、雀五郎「ねずみ」というものでした。吉之丞は、福井県での余興のすさまじさ報告でした。一緒に行ったのが、都んぼ、紅雀、ひろばというだけで、おかしくなってきます。それはいいとして、「強情」は、素晴らしい出来でした。吉朝一門でありながら、ざこば一門的雰囲気を持つ吉之丞は、いいネタに、目をつけたものです。畳みかけるように登場する強情男たち、吉之丞の声の調子が、エスカレートしていきます。いっぱいいっぱい上りつめての強情の張り合い、吉之丞の顔のごっつさは、まだまだと言っているようでした。この吉之丞のマクラとかぶってしまったのが、三象のマクラ。三象は、マクラから入念な稽古をしてきますから、前に同様のネタが出ても変えられない。でも、三象様は、それでいいのです。そういったことを気にしないで聴ける数少ない噺家さんです。ネタは、いつものものなんだけど、このネタを聴くたびに、三象の英語がうまくなっていきます。これは、感心しきりです。主役の雀五郎は、「ねずみ」だけが、ネタを出していました。「ねずみ」は、ネタおろしのはずだと思っていましたら、やはり、もう一つは再演ものでした。出来としては、「遊山船」の方を取ります。橋の上の賑わいは、二人のしゃべりのやかましさで乗り越えたかなという感じ。かなり成功の部類と看ます。「頭を使え」に応じて、寝ている男の頭を踏み台にするくすぐりは、誰が思いついたんでしたっけ? あれは、効果的ですし、今日の雀五郎は、冒頭の花火が上がるところで、膝立ちになり、花火を表現していましたが、そういったアクションを入れるだけで、やかましさが増していきます。ただ、同じパターンの掛け合いに終始しますので、後半に、何かスパイスが欲しいと思いましたが、それは、今後に期待しましょう。「ねずみ」の方は、たったらたったらと走り過ぎました。それにつきます。声の調子での変化はつけてくれるのですが、ずーっとインテンポっていうのは、勘弁して欲しいなと思います。確か、「三十石」を下ろしたときも、同じような感想を持ったなと思いながら聴いていました。ここからがスタートなのですから、今後の上乗せに期待しましょう。雀五郎は、それが期待できる有望な噺家さんです。
 鶴橋から、近鉄電車で、日本橋に移動。ちょうど1時間ほど、駅上のネットカフェで、時間調整をして、夜の落語会に備えました。夜は、ワッハの4階でありました「第24回紅雀と阿か枝」に行きました。結構な入りで、にもかかわらず、雀のおやどからの連チャン組は少なかったですね。雀のおやどでは、随分と常連さんが、顔を並べていましたので、てっきり連チャン組が多いと思っていたのでしたが、考えてみると、今日は、繁昌亭で、福笑と円丈の二人会があったのです。黄紺は、そちらは捨てましたが、回られたのでしょうね、きっと。肝心の番組は、紅雀「道具屋」、阿か枝「太鼓腹」、(中入り)、阿か枝「皿屋敷」、紅雀「くっしゃみ講釈」というものでした。今日は、二人の特徴が、とってもよく現れたネタ選びだったと思います。紅雀は、この人の傑作「不動坊」に看られるように、インテンポで、且つ、感じの良いリズムで聴かせる人です。ですから、その妨げになるようなくすぐりなんてのは、できるだけ削ぎ落として欲しいなと思ってしまうのです。中でも、噺の背景となっている時代とは食い違う感性で、自分から自らの特性を崩さないで欲しいのです。最近、「くっしゃみ」を、よく出しているので、今日は、大当たりかなと思っていたら、どんぴしゃだったのですが、一方で合理性を追求し、一方でいちびってみたりと、おもしろくしようという意志は、十分に解るのだけどなぁ、、、というところです。阿か枝の場合は、華のある部分が、とにかく、全般的にくすんで見えてしまいました。「太鼓腹」なんてのは、お茶屋の噺ですから、全編、華が欲しいのです。軽妙さや、遊びとか、そういうネタは、声質からして、阿か枝にはハードルが高いです。「皿屋敷」も、怖がらす場面だけではないはずです。冒頭の場面などは、若者連中が、わいわい騒いでるところ。ところが、阿か枝が演じると、謀議でも始めようかのムード。普通に喋ると、どうしても、こないな結果を生んでしまうという特徴を持っているというのが、阿か枝。意識しているでしょうが、今日はうまくいかなかったですね。それに対し、シリアスな場面は、さすがです。それに、「皿屋敷」での体のさばきが、かなりかっこいいですね。ということで、シルバー・ウィークも、あと1日です。イスラム圏も、今、ラマザン明けのバイラムに入っていますね。




2009年 9月 22日(火)午前 6時 17分

  大阪市遊歩(18)写真集

 シルバー・ウィークの中日、お天気は崩れるとの天気予報でしたが、午前中から、とてもいいお天気。おまけに、かなりの気温上昇。昨日も、過密なお出かけスケジュールを組みました。まず、先に梅田で、香港映画「コネクテッド」を見ました。上映時間、お昼の12時40分と夜の8時台にしかないということで、先に映画を見てから、その後、映画館を起点に、ウォーキングを始めようという計画を立てたのでした。映画の方は、テアトル梅田、座席指定の最後の1枚が手に入りましたが、一番前。首が、うまく動かない黄紺にとっては、映画を諦めるか、我慢をするかのきつ〜い選択。せっかく立てた計画が崩れるのを嫌がった黄紺は、見ることにしたのでした。映画「コネクテッド」は、ハリウッド映画のリメイク版、香港映画が、初めて版権を正式に手に入れてリメイクした映画として評判になった映画です。「コネクテッド」とは、誘拐された女性が、外との連絡を取るための唯一の手段として、壊された電話を辛うじて修復し、偶然つながった相手に救いを求めることを指します。一度、電話が切られると、二度とつながらないかもしれないという恐怖感が、一つの前提として敷かれます。また、電話の受け手が、親子関係の修復のため時間の制約を持っているという前提、受け手の男が、そんなに頼りになりそうな人物でないという前提、ポリスの動きが重いという前提、そういったものが、サスペンスを効果的に盛り上げてくれます。救い手となる電話の受け手は、結果的には、超人的活躍を見せ、更に、もう一つ、結果的に、親子関係の修復にも寄与していきます。でないと、勧善懲悪にはなりませんわね。サスペンス、そして、アクションものって、広東語映画には不向きなんかなぁなんてことも、考えながら見ておりました。なんか、テンポが上がりそうで、上がらないように足を引っ張ってるような印象を持ってしまったのです。
 映画が終わると、その映画館の前から、ウォーキングをスタート。昨日のコース設定は、淀川を渡り西淀川区に入ること、そして、あとのことを考えて、できるだけ、JR東西線のどこかの駅にたどり着くこと、この二点です。最終的に歩いた細かなコースを書きますと、テアトル梅田〜提法寺〜地下鉄御堂筋線「中津」駅〜阪急「中津」駅〜淀川河川敷公園〜八坂神社〜淀川大橋〜鼻川神社〜歌島橋・大野川歩行者専用道〜西淀川区役所〜JR東西線「御幣島」駅となりました。最初の計画では、伝法橋を渡る計画をしていたのですが、最初、天六方向にちょっと歩いたりして、自分で、ロスとなるコース設定をしてしまいましたので、淀川大橋にしました。伝法橋にすると、御幣島まで行くのは、ロスがなくとも厳しかったかもしれません。天気は、ちょっとあやしくなりかけたのですが、簡単に回復。日差しの強い午後でした。そないなときに、淀川べりを歩くのは、それはそれで、気持ちのいいことなのですが、淀川は柵で囲われています。河川敷に入るには、ホントに限られた出入り口だけ。にも拘わらず、一部の出入り口に施錠するっていうの、どういうことなのでしょう。仕方なく、暫しの間、柵の外側を随分と歩かざるをえませんでした。
 「御幣島」駅でのウォーキングの切り上げは、ベスト・セレクション。夜の部は、繁昌亭だったのですから。昨夜の繁昌亭は、指定席だったものですから、開演時間の6時にきわどく入って、OK。そのため、30分弱だったのですが、南森町のネットカフェで時間調整に使えました。昨夜の繁昌亭は、「第10回銀瓶・一琴・文華 三人会」がありました。主役の3人は、同期の噺家さんで、おまけに、一琴は、小三治の弟子ながら、大阪の茨木市出身ということで、若かりし頃から、3人で、会を持っていたのでした。番組は、喬若「ちりとてちん」、一琴「真田小僧」、文華・一琴・銀瓶「座談会」、(中入り)、銀瓶「書割盗人」、文華「立ち切れ線香」というもので、ネタ的には、「立ち切れ」に配慮して、あとの二人は、小ぶりのネタをかけました。「真田小僧」は、上方の噺家さんが出しても、子どもが騙すところまでというのが、定番。昨日は、「真田」となってるわけが判る後半まで、きっちりと演じてくれました。このネタでは、薩摩に逃げ落ちたっていうことになっているのですね。おもしろいことに、気づきました。銀瓶のネタも、定番ネタですね。この人のこのネタでは、盗人が、書割りだとわかって戸惑っていると、寝ていた男が、「わかった?」と声をかけます。「つもり」で生きているという独白まで入りました。なんか、発想が違うんだよなぁって、突っ込みたくなりました。文華の「立ち切れ」は、2度目の遭遇。声的には、なかなか似合わないネタだなぁという印象と、全体的に、テンポがいいっていうのは、この際、じゃまという印象、この二つが障害となり、文華の「立ち切れ」は好きにはなれませんでした。かみそうになるよなテンポは、お茶屋の場面で、だいぶと良くなり、一安心です。それでも、全体的にゆったり感が物足りないです。なんか、先を急ぐような感じを持ってしまいます。いい工夫に、一つ出逢いました。家を出たあと、丁稚をまく方法です。丁稚に、冒頭の駄賃を払おうにも、財布がない。その財布を、丁稚に取りに行かせるというもの。この方法だと、「まだ、丁稚は、駄賃のことを言っている」というので、どっかんと笑いが取れるという旨味があります。一方で、この場面で、どっかんは、もうあかんやろという気もします。はまりすぎて、新たな懸念が出てしまいました。それぞれの口演はいいとして、座談会が、おもしろかったですね。ネタの覚え方、三者三様。こういったことを言い合うと、それぞれの主張や感性が出てくるのでおもしろい。師匠の指導の仕方なんかも入ってきますので、とってもいい芸談になっていました。




2009年 9月 21日(月)午前 7時 59分

  大阪市遊歩(17)写真集

 昨日も、午前中はウォーキング、午後からは、講談と芝居で過ごしました。午後の講談会の会場が、動楽亭ということもあり、それに合わせてコースを設定です。そのコースは、京阪「中之島」駅〜湊橋〜昭和橋〜大阪開港の地碑〜三井倉庫・富島倉庫〜安治川地下トンネル〜安治川水門〜弁天埠頭前〜金銀堂威張り地蔵尊〜磯路3丁目桜通り〜尻無川水門〜波除地蔵尊〜大阪市立三軒家西小学校〜JR「大正」駅となります。昨日のコンセプトは、昭和橋を渡り、木津川と土佐堀川の合流点をしり目に、安治川に沿い、弁天埠頭まで倉庫街を歩き、お時間に合わせて、道を変え、今度は、尻無川に向かい、そして、尻無川に沿い、海と反対に向かい、最終的に「大正」駅を目指すこととしました。映画「泥の河」の世界です。ウォーキングを始めて、西区というところに、古い大阪を見た思いがして、えらくこの地域を歩くことが気に入ってしまっています。八百八橋、大阪は水の都だったはずですが、西横堀川や長堀川が埋め立てられ、中心部では、その雰囲気が消えましたが、ここまで来ると、その雰囲気が残っています。安治川、木津川、尻無川なんて川に、橋がかかり、それらをつなぐようにして歩くと、ちょっと他では味わえない雰囲気を味わえます。それらの港湾地域に、松島なんかの位置を考えると、昔の大阪の構造が、一段とわかったような気がしてくるのです。
 「大正」駅から、次の移動先「新今宮」駅までは、すぐです。むしろ時間が余るくらいでしたので、途中にあるコンビニで、芝居のチケットを購入。で、行き先は、動楽亭。昨日は、午後2時から「戦国VS幕末〜講談バトルにて候!〜」があったのです。これは、大阪の南海さんが、戦国時代をテーマにした講談を、また、東京の神田陽司が、幕末の講談を披露して、ゲストのフリーアナウンサーの斉藤弓子さんを交えて客と、戦国か幕末か、どちらの講談がおもしろいかを判定してもらおうという企画。客の入りも30人くらいと、講談の会としては、及第点でした。番組は、南海・陽司「挨拶」、南舟「雷電の初相撲」、陽司「坂本龍馬・勝海舟との出会い」、(中入り)、南海「真田幸村、天王寺の激闘」、南海・陽司・斉藤弓子「トーク」というものとなりました。ところが、昨日も一昨日と同じく、ウォーキングの疲れで、3人の講談が、全て真ん中部分が飛んでしまいました。「雷電」では、八角との初相撲で、相手を死なせてしまう場面。「坂本龍馬」では、龍馬と勝海舟が、顔を合わせる場面。気が付くと、勝海舟に斬り込んでいってました。「真田幸村」では、外堀を埋められ、いざ合戦かというところのあと、気が付くと、大坂から落ちて行く途中でした。こうやって書いていると、三つが三つとも、それぞろのネタの一番いいところじゃないですか! ショックはショックなのですが、開演前から、ぐったり気味で、ある程度は予想はされたのですが、当たると腹立たしいものです。「坂本龍馬」は、以前の講談毎日亭で、南海さんが出していますので、比較がしやすいのですが、随分と違います。会った場所が、江戸と神戸、同行者も違いますし、陽司には、龍馬の決断の横に女性が出てきたりします。おりょうさんではない女性です。陽司は、実際に龍馬に刀を抜かせています。どちらが事実に、より近いものなのかはわかりませんが、自分的には言葉と言葉のやりとりだけで、事が進んでいくのが良かったのですが、、、。
 講談会が終わったのが、4時28分、実は、35分になると抜けようと用意していました。際どく次なる行き先があったのです。しかも、開演後は入りにくいものなので、そないなことを考えていたのですが、大丈夫でした。行き先は、動楽亭からは10分足らずで行けました。「in→dependent theatre 1st」で、「第20回石原正一ショー“筋肉少女”」があったのです。関西小劇場界で、よく名前を見かける石原正一主宰のプロデュース公演。活きのいい劇団探しの網の中にしっかりと引っ掛かってきた名前だったのですが、芝居はくだらなかった、実に。この手の感性なのかと思うと、ここまで劇団探しが、わりかし成功していただけに、余計に無念な感じがしてしまいます。「正義に目覚めたスケバンが超人女子学園の悪を倒す」などというのが、この芝居のコピーですが、それだけで、それ以上の何物でもない芝居。活きのいい女優陣が見応えがあるのですが、なにせ、舞台が狭いものですから、おもしろみが半減。ダンスをするにも、プロレズをするにも、気の毒なくらい狭い。逆に広いと、女優陣の体力的負担が大きすぎて、荒ばかりが見えてくるでしょうね。人数が多ければ多いほど、個人的な体力面での差が目に付いてくるでしょうね。難しいところです。こないな漫画的芝居をしていて、演劇界での地位を確保しているとは、全体のレベルが気になります。




2009年 9月 20日(日)午前 7時 42分

  大阪市遊歩(16)写真集

 5連休の初っぱなの昨日は、過密な日程を組んでみました。朝9時をメドに家を出て、ウォーキングを午前中に済ませ、午後からは、落語会のはしごをするという日程です。従って、ウォーキングのスタート地点は大阪市内、終点も、わりかし午後の落語会に行きやすいポイントということで組み立てましたが、終点を、ちょっと頑張り過ぎたかなという感じで、あとの移動で、ちょっと焦った部分もありました。最終的には、コースは、次のようになりました。京阪「北浜」駅〜旧小西家住宅〜平野橋〜インド・レストラン「RAJA」〜山本能楽堂〜太閤下水〜国立病気機構大阪医療センター・銅座公園〜大村益次郎受難之碑〜大槻能楽堂〜大坂の仮病院跡碑(大福寺内)〜東高津宮〜真田山公園〜韓国家庭料理店「マダン」〜インド料理店「スーマン」〜東成区役所〜地下鉄「今里」駅〜今里大橋〜地下鉄「新深江」駅ということになりました。途中、久しぶりに訪れた大槻能楽堂では、能公演のパンフレットを、この機会にと収集したりなどというおこぼれがあるかと思うと、「太閤下水」のように、全くノーマークのものに出逢えたりで、やはり大阪の中心部を歩くと違います。実際は、もっと資料を集めて、細かく回ればおもしろいのかもしれませんが、偶発的に見つけるというのも悪くはありません。そして、新深江というところへ、初めて行きました。近鉄の駅が近くにあるからでしょうか、何もないところで、びっくり。お昼ご飯を、こちらで食べようと思っていましたから、「めし」の看板が目に入ったときは、胸を撫でおろしました。暗越峠へ向かう道を示す道標が、「今里」駅との間にありましたが、移設されていたこともあり、そのあたりについて記した資料がないと、見当がつかないですね。
 「新深江」からは、谷九乗り換えで、谷町線の「田辺」に。午後からは、落語会2連発です。まず、1時半開演の「第507回田辺寄席・長月席・昼席〜新・じっくりたっぷりの会−露の団四郎の段〜」に行きました。この昼席の番組は、染太「手水廻し」、団四郎「押し売り」、文太「平兵衛野盗伝奇」、(中入り)、宝来家一輝「太神楽曲芸」、団四郎「大丸屋騒動」というものでした。お目当ては、最近、全く実演に接していない「大丸屋騒動」です。五郎兵衛の遺産を、団四郎が受け継いでくれています。毎回、開口0番として、開演前に、文太が落語についての豆知識を教えてくれるコーナーが用意されています。昨日も、開演間近ということでトイレに立った途端に始まってしまい、大慌て。昨日は、「へたり」がテーマ。鳴り物の人のことです。今は、若手の噺家さんがされていますが、文太が入門した頃には、その専門の方がいましたので、その思い出話なんかをしてくれました。ここまでは良かったのですが、いよいよトップの染太が舞台に出てくると、体調が変。ウォーキング疲れが、ここで一挙に噴出してしまい、この染太と新作を演じたときの団四郎は、ホント、高座に上がっている姿しか記憶にありません。どうしたのでしょう。ウォーキングをして、ここまでダウンしたことは初めてです。1週間働いて、まだ、その疲れが取れていない段階でウォーキングをしたからでしょうね。えらいところで出ちゃったものです。文太の高座のところで、ほぼ回復。文太が「贋作」と称して高座にかける自作の芝居噺。昨日の「平兵衛野盗伝奇」は、初遭遇ですからダウンしているわけにはいきません。盗みの罪で打ち首獄門となった男が、ある笛の音で幽霊となって蘇ることから、それをさせてはならじとする者たちと野盗集団との攻防、、、だったよなと、書いていて思うくらいですから、ここでは完全回復はしてないですね。中入り明けの宝来家一輝は、ようやく出逢えました。繁昌亭に出ている色物さんで、まだお目にかかっていないお一人だったのです。口にくわえた棒の上で操る土瓶の芸が、いいっすねぇ。思わず、「ほーっ」という声が出てしまいます。そして、お目当ての「大丸屋騒動」。生では、京都の市民寄席での文枝の口演以来かもしれません。20年は経っているでしょう。最近では、八方が手がけたということで思い出されているネタかもしれませんが、手がける人は、ホントに稀なネタです。血しぶきの降る凄惨な噺なものですから、なかなか演じ手の出る噺ではありません。団四郎は、その凄惨さを抑えた形というか、出そうとして出せなかったのか、その辺は解りませんが、ちょっと物足りなさを感じましたが、宗三郎の身勝手さは、よく出ていたなと思います。ちょっとした我慢、それすらも、結局は出来ない頼りない男の雰囲気は良かったのですが。これは、五郎兵衛譲りなのでしょうが、羽織の使い方がうまいですね。宗三郎が家を出るときに、一旦脱ぎかけ、おときの家になると、脱ぎかけた羽織を着ます。そして、今度脱ぐのは斬るとき。でも、完全に脱がないで、刀を持つ手先を隠すように残す。これは、美しい型です。歌舞伎なんかを参考にしたのかもしれません。やはり、それを美しいと見せるためには、斬ってしまうときの体の切れ味、その後の凄惨な場面の演出が必要なんでしょうね。いいものを見せてもらったと思う反面、とっても、このネタは難物との認識を強くした次第です。
 「田辺寄席」が終わると、再び、「田辺」駅に戻り、谷九経由で日本橋へ。駅上のネットカフェで時間調整。夜は、3日連続で、ワッハの4階に行ってまいりました。昨夜は、「林家亭9月席〜染雀花舞台 お囃子コンサート〜」が、こちらでありました。東京芸大の記録班が入ることを、予め断った会です。昨日の出演者は、そのための布陣がしかれていました。主宰者の染雀はむろんのこと、あさ吉、喬若という、いずれも鳴り物の名手として知られた噺家さんに、三味線の吉川絹代でした。入場とともに、番組表ではなく、B5版の紙切れが1枚渡されました。それが、プログラムということでしょう。内容は、次の通りです。【1-a使用楽器の紹介】締太鼓、大太鼓、鉦、銅鑼、拍子木、能管、篠笛、細棹三味線、太棹三味線【1-b音色の代用】太棹三味線、ツケ、木魚、双盤、鈴、砧がないときに、常に用意されている楽器で代用する方法が紹介されました。その中で、「かさや」「岩見」「あやめ浴衣」「砧」の曲が演奏されました。【2儀礼の太鼓・出囃子】一番太鼓、二番太鼓(着到)、中入り前の太鼓(片砂切、砂切)、バレ太鼓、しころ(大阪騒ぎ入り)、「石段」「赤猫」「じんじろ」「だんじり」「獅子」「早船」「都ばやし」「正札付き」「元禄花見踊り」「まかしょ」「鞍馬」「やぎの郵便屋」「ハリスの風」「炭坑節」「ロンドン橋」「オクラホマミキサー」「どうぞ叶えて」「お江戸日本橋」「くいな」。最後の3つは、本日の出演者の出囃子でした。【3ハメモノ】水音と波音(千鳥)、風音(スゴキ)、雪音(雪)、雨音、小拍子を使った音(煙草の火着け、火打ち石、かんな削り、たたき、講釈)、落語の一部(軽業〜渡り拍子、香に迷う、シコロ〜、七度狐〜寝取〜、三十石〜舟唄〜、質屋芝居〜浄瑠璃〜)。ここまでで、時計は9時を少し回っていました。予定していた「船弁慶」のお囃子はカットし、染雀の口演で「蛸芝居」が、更に、「松づくし」が踊られ、盛りだくさんの会はお開きとなりました。それにつけても、あさ吉の笛は、見事です。この音色を出せるのが、あさ吉だったのだと判り、また、幕内でも評判が高いのが、よく理解できました。




2009年 9月 18日(金)午後 10時 51分

 いよいよ5連休に突入です。その連休イヴ、いや、もう連休気分で、今夜は、昨日に続いて、ワッハの4階に行ってまいりました。毎月、こちらで行われています「らくご道〜笑福亭生喬と桂こごろうの落語会〜」があったからです。番組は、生寿「三人旅」、こごろう「骨つり」、生喬「牛の丸子」、(中入り)、こごろう・生喬「夕焼け対談」というものでした。生寿の「三人旅」は、初遭遇。通常切り上げる箇所より少し前に進み、道にたむろしている道者の一団に馬に乗った三人が突っ込んで行き、道者を蹴散らしたのはいいのですが、馬の止め方がわからないで青くなるというところで切り上げられました。生寿の口調は、生喬テイストがたっぷりなのですが、しっかりとした口調は、安心して聴けます。徐々に線が太くなってきているのに、自ずと期待が膨らみます。こごろうは、「骨つり」を、師匠南光に稽古をつけてもらったわけではないが、南光の高座を映像で見て覚えたということです。さほど、風景とかが浮かんでくるネタでもなく、また気持ち的に食い付きたくなるネタではないのだがと、後半の対談で、こごろうは言っていましたが、南光の高座を見ていて、どのような骨が来るかと喜六が待ちわびるところにおもしろ味を感じ、ネタにしていると言っていました。確かに情景描写を入れることで、どうなるというものではないことは確かで、骨が幽霊となり現れる意外性、だけど、最初の幽霊は仕込みに過ぎませんから、それに逆転のようなことが起こるばらしの部分を、どれだけおかしく演じるかが命のようなネタですから、こごろうの言うところは、一理も二理もあるところでしょうし、そう思ったことを、きっちりと高座で表現してくれるこごろうの腕は並みのものではないでしょう。一方の生喬は、珍しいネタを出しました。文団治の音源を基に、米朝の映像を参考にしながら仕上げたと言っていました。今日のが、原型ヴァージョンだそうで、今日の演じ方を基に、改変を進めているとか。今度、繁昌亭である福笑主宰の「テーマ落語会」で、その新ヴァージョンが出されるということです。元々、田舎の人を騙して、お金を巻き上げるという後味の悪い話で、その「騙す」というところは抜くわけにはいかない噺なので、改変のコンセプトは、より後味を悪くするということだそうです。生喬は、米輔の言葉を紹介していました。「せっかく師匠米朝からもらったけれど、後味が悪いのでかけようがない」「おまけに長い」と言っていたそうです。米朝の口演では35分かかっているそうです。そないに長かっかなぁ、確かに、マクラで、冒頭に出てくる「大和炬燵」の解説を入れていたのは覚えていますが、あと何があったのか、そないなことを言われると、気になっちゃいます。今度、時間があれば、ワッハの資料室で、米朝の口演を視聴してみることにしましょう。




2009年 9月 17日(木)午後 11時 20分

 今日は、今週2回目の講談会。ワッハの4階でありました「第372回上方講談を聞く会」に行ってまいりました。火曜日にあった「天満講談席」とともに、上方講談協会が主宰する二つの定席が、同じ週に重なるというのは珍しいことです。会場押さえには苦労されているみたいですので、それが、こないなことになったみたいです。今日の番組は、南舟「飲み取りの槍」、南海「真田の入城」、南鱗「幸助餅」、南華「無心は強い」というものでしたが、えらくベタなネタが並んだものです。南舟は、空板を含めて、最近、連続的に、これをかけています。おまけに、先週の南湖の会でも、このネタが出ましたから、聴く頻度が、とっても増えています。「黒田節の由来」としても演じられるものです。「真田の入城」も、よく出ます。今日は、上田籠城話に触れ、秀忠の愚鈍さを語りつつ、秀頼の下に馳せ参じる前の、幸村のカモフラージュの部分を中心に読まれました。よく知られた話を、南海さんが、おもしろおかしく語ると、ホントにおもしろいですね。乞食に変装して、伝令が、幸村の下を訪れるくだりが、特に聴く者を楽しませてくれます。南鱗の「幸助餅」は、もう食べ過ぎっていうところで、マクラの相撲トークだけでいいっすよ〜って言いたいですね。トリネタは、確か初物。トリネタだからと言って、大きな話ではありません。道場破りに行った男が、いざ、相手が打ち込んでくると負けを公言し、道場主に恩を売り、逆に馳走に与るという詐欺を働くのですが、これも、相手が打ち込んでくれるとできる芸当なのだが、ある道場に行くと打ち込んできてくれない。相手をした侍は、隙だらけのその姿に、逆にいろいろと考えさせられて打ち込んでいけなかったのだ。それを、「無心の境地」として誉めて、両者が打ち解けるというたわいのない話。とまあ、やっぱ、話は小さい。ということで、連休が近づいてきています。あと1日働くと、ありがた〜い連休なのです。




2009年 9月 16日(水)午後 10時 5分

 今夜は、以前、雀のおやどのオーナー氏からいただいた入場整理券を手に、天王寺区役所内の大講堂で開かれました「第13回上方落語まつりin天王寺」という落語会に行ってまいりました。これは、天王寺区内の各商店街連盟と行政がスクラムを組み行われている文化的催事です。そういった会が、彦八まつり関連ということで、上方落語協会が協力して、行われているもののようです。番組は、雀太「道具屋」、生喬「竹の水仙」、雀三郎「天王寺詣り」というもので、雀三郎の高座が終わると、延々と抽選会が続きました。黄紺は、呆気にとられて、全てが終わる前に会場をあとにしました。これだけの賞品を用意するのなら、あともう一人、噺家さんをよんで欲しいものです。すると4人体制の普通の会になったものをと、文句を言いたくなりますが、今日の3人は、ネタと言い、出来栄えと言い、申し分のないもので、十分に楽しむことができました。雀太は、店を出す前の寄り道どころか、本屋の善さんも、隣の人に紹介するという省略形。余計なものを入れるよりは、この省略形の方が納得です。木刀のところの呼吸も良くなってるしと、この形でいくのなら、完成形に近づいてきていると言えます。下げは、笛を持って逃げられ、「家一軒、損をしてもた」。笛を持ち逃げされるというのが、気に入りません。生喬での「竹の水仙」は、久しぶり。芝居っぽくなったなぁというのが、直感的感想。表現が豊かになったのか、ちょっとくさくなったのかで言えば、前者でしょう。言葉の表現に身体的な表現がついてきたと言えばいいてしょうか、生喬は生喬で進化しています。下げは、宿屋の親父が、「竹はなんぼでもあるさかい、せめてワシら夫婦に、一つずつ水仙をこしらえてくれ」「竹の節が二つ重なって、節と節で、不幸せになるさかい、止めときまひょ」というものでした。「天王寺詣り」ベストは、雀三郎か都丸かと思っている黄紺にとり、お彼岸を前にして、時節相応のネタを、この時期に初めて聴く機会を得ました。下手すると、淡々と同じようなことの繰り返しに終始するネタに、創意工夫で、巧みに変化をつけたその技が光る雀三郎の口演。「上方の噺家230人で、乞食が一番似合う噺家」には笑いました。こういうものを入れたりするのも、このネタの難しさを知っているからでしょうね。




2009年 9月 15日(火)午後 11時 3分

 雨が降ると、涼しくなります。朝からしとしとという雨が降り、秋へと進んでいっています。今夜は、毎月恒例の天満講談席の日でした。今週は、わりと講談づいている週ですが、その一発目です。番組は、南青「荒浜藤蔵」、南湖「内蔵助の子供時代」、左南陵「且元退城」、南北「恩田木工」というものでしたが、ここ数日、すっかり韓国ドラマ「復活」にはまってしまい、夜更かしが過ぎています。がために、完全に寝不足のため、いつダウンするかわからない状態の中で行きました。一つでも、まともに聴ければラッキーという気持ちでした。実際、南湖の口演の序盤で力尽き、左南陵の高座は完落ちでした。ま、南湖のネタは、先日の南湖自身の会で聴いたところだったので、諦めもつくのですが、左南陵は聴ける機会が少ないだけに、残念な結果となりました。南青のネタは、先日、繁昌亭の小染の会で、南鱗が出したもの。だけど、あのときは、荒浜藤蔵というだだけ者が、宿屋にやってきたところまででダウン。今日、それが、とっても早い内のダウンだったことを確認しました。話は、「水戸黄門漫遊記」からの抜き読み。単に横恋慕して果たせなかっただだけ者が逆恨みするという情けない話。そんなだだけ者退治に、黄門様の登場はもったいない話です。そんなで、ちょっと肩すかしっぽかったなぁ。「恩田木工」は、地味系のネタと言えばいいかな。松代藩で、農民の立場に立ちつつ、財政改革を断行した家老の、その改革の様子をしたネタ。明日の鳩山内閣発足に合わしたのでしょうか、南北は、それらしきことは言っていましたが、それに合わせて、こないなネタを見つけてきたのなら、脱帽ですが、抜き読みで、よく出されるのかな、その辺を掴めてないのが、悔しいところです。




2009年 9月 14日(月)午後 10時 55分

 また、夏っぽい暑さに戻っています。なんか、こういう暑さがぶり返してくると疲れます。おまけに、仕事でトラブルが出たため、結構、体を使い、疲れが倍増。そのようななか、夜は繁昌亭に出かけてきました。今日は、「ナイトヘッド・スペシャル」があったのですが、昨日まで、京都である南青くんの会に行くか迷っていたのですが、スムーズに職場を出られないかもと思い、繁昌亭での、たまの会を選びました。すると、結果的に成功でした。要するに、職場をスムーズに出られなかったのです。今日の番組は、三四郎「普請誉め」、たま「壺算」、都「子別れ」、たま「高津の富」、(中入り)、たま「ショート落語」「サイコ・セラピー(仮題)」というものでしたが、たまのネタでは、「壺算」だけが、ネタ出しがされていました。黄紺も、たまの「壺算」は聴いたことがなかったため、楽しみにしていたのですが、今日は、ここで疲れが出て、ダウン。瀬戸物屋に入って、間なしに、記憶が飛んでしまいました。たまが言うには、かなり新作に近い改作をしましたと。悔しいですね。「高津の富」は、空っけしの親父っさんという要素が、今日は、財布を落としたという設定になっていました。いきなり、高津の富くじの話から始まります。そして、聴かせどころは、妄想男。この改変は、相変わらず好きになれません。空っけしの親父っさんの嘘があるから、当たりくじが出るときの驚きが大きくなるのですから。中入り明けは、新作物が並びました。ショート落語の前に、小咄二題。それは、枝三郎が作ったらしいという「ウクレレ・サンド」の続編。新作落語は、殺人事件を解決するために、サイコ・セラピストに頼る噺。証拠品に、サイコ・セラピストが触れると、その物に触れた人間の記憶が判るというもの。こういった事件物や、SFっぽい内容が出てくるというのは、たまらしいと言えば、たまらしい新作です。ゲストで言えば、三四郎が良かったなぁ。以前、三四郎の「子ほめ」に感心をしたことがあったのですが、今回も、この聞き慣れたネタで、またしても感心してしまったのです。台詞という面では、全くと言っていいほど、踏襲。ただ、急なテンポアップを入れたりするなかで、二人の会話に、変化が出るのです。誉めに行った男は、早く柱の穴に至りたいわけですから、教えられたことを、どんどんしゃべっていく。だけど、何か誉めたあと、それに対する応答が済まない内に、テンポアップして、次の誉め言葉を並べると、池田の親父っさんを「無視」したという色合いがついてくるのです。それを計算づくで、三四郎は演じています。こういった動物的な勘、センスというものが輝いた高座でした。都の「子別れ」は、久しぶり。たっぷりと都噺をしたあと、このネタには、びっくり。以前に聴いたときに比べて、しっとり感がいいなぁと思いましたが、ちょっとストーリー展開を急ぎすぎるきらいが見え隠れしてしまうのが、気になりました。




2009年 9月 14日(月)午前 0時 5分

  大阪市遊歩(15)写真集

 今日は、11時をメドにお出かけ。3部構成の予定を組みました。まず、心斎橋シネマートで、台湾映画「九月に降る風」を見て、それが終わると、映画館を起点に、ウォーキングに出かけ、夜は繁昌亭という具合で、今日は、フル稼働の1日でした。まず、台湾映画ですが、これが、なかなかよくて、簡単に言ってしまうと、青春グラフィティです。高校生の問題児グループ、どちらかというと、ちょっと硬派がかった雰囲気を併せ持つ男の子たちのグループ。野球が好きで、プロ野球の試合を見に行っては喧嘩をしたり、グランドに物を投げ入れたり、女の子を取り合っては、また喧嘩をしたり、業をサボっては、溜まり場で煙草を吸っていたりと、そないなことをしてつるんでいるグループである。そのグループに変化が現れ出すのが、一つのバイク事故であり、バイクの窃盗事件。これで、ダチとしてつるんでいた高校生が、自分たちの集団の質を問われることになってしまいます。当然、そこには温度差があり、そのため、集団は崩れていきます。それを許せない一人の男の暴走で、否が応でも、その温度差を、目の前に突きつけられます。そして、そのあと、これらの高校生が、どのようになったかは描かれません。一人の男が、バイク事故で、結局なくなってしまった男との最後の約束、果たせなかった約束を、一人でも実現しようと、遺品を持って、約束の場所を訪れておしまいです。それを見て、我々は、バラバラになったのだろうと思っていいのかな? ならば、苦い青春グラフィティなのでしょうが、でも、一人一人には、確実に何かが残ったであろう青春の一ページには間違いなかろうと思えると、いい映画だなぁと思えるのです。この手の映画、久しぶりに見ました。ですから、余計に惹かれてしまったのでしょうか。
 映画が終わると、すぐにウォーキングの時間です。昨日とは全く違うお天気。今日は、夏の日差しで、たっぷりと汗をかきました。方向は、心斎橋から南下、四ツ橋筋を、浪速区役所辺りまで行き、そこから西進。芦原橋方向に行き、リバティ大阪周辺の太鼓ロードのモニュメント巡りをしたあと、津守地区を南下するつもりをしていたのですが、津守地区に入りかけたところで、開始から1時間40分を経過してしまっていましたので、急遽、木津川を渡り、木津川沿いの工場群の中を抜け、JR&地下鉄「大正」駅を終点と定めました。これで、本日のウォーキング・タイムは、2時間7分でした。細かなコースを記しますと、ビッグステップ(心斎橋シネマート)〜御津八幡宮〜金屋橋〜宮里橋・湊町リバープレイス〜JR「難波」駅〜難波八坂神社〜浪速区役所〜敷津松之宮〜JR「今宮」駅〜旧渡辺道〜JR「芦原橋」〜太鼓ロード〜大阪人権博物館〜南海汐見橋線「木津川」駅〜阪神高速西大阪線木津川架橋〜大浪橋〜地下鉄鶴見橋線「大正」駅となります。
 「大正」から「長堀橋」経由で、南森町に移動。夜は繁昌亭です。ただ、若干、到着が早かったものですから、おなじみのネットカフェで、時間調整。今夜の繁昌亭では、「林家小染 落語・講談天地会」がありました。噺家が講談を、講釈師が落語をというのが売りで、黄紺も、その企画に惹かれて行ってまいりました。番組は、市楼「道具屋」、南鱗「水戸黄門漫遊記:荒浜の藤蔵」、小染「猫の災難」、(中入り)、南鱗「延陽伯」、小染「お坊主稲川」というもので、中入り明けが、本日のお目当てとなりました。「延陽伯」は、風呂場の場面を省かず、名前で困るというところまでですから、かなりたっぷり感はありました。それを、南鱗の口調ですから、余計に重量感たっぷりです。それに反し、小染は、時々、普段の口調で地語りや解説を入れたりして、やはり落語家さん、サービス精神は豊か。そないな感じでしたということもあったのですが、このネタ、落語になるでとの印象を持ちました。ぜひ、この機会に試みて欲しいものです。前半は、それぞれ、定番のネタ。ただ、南鱗の口演で、タイトル・ロールのだだけ者が出てきたところで、意識喪失。ウォーキング疲れが出てしまったのでしょうか? 今日は、危なかったのは、落語会では、ここだけでした。存外良かったのが、市楼の「道具屋」。余計なデフォルメをせず、かげんを心得た口演で、市楼も、そういった演じ方ができるようになったんだと、ちょっと感心しておりました。




2009年 9月 13日(日)午前 8時 15分

  京都市遊歩(4)写真集

 昨日は、朝から映画。京都みなみ会館でありました日本映画「カフェ・ソウル」に行ってきました。日本人ライターが、韓国食を求めて訪韓したおり、偶然、韓国の伝統菓子を作る男と出会い、それを取材する内に、その店の再生、地上げ屋との争い、家族内の葛藤に関わり、最後は、店の再生と家族の再生に寄与するという物語。日本人ライター役の斎藤工と、出版社の編集者役の京野ことみ以外は、全て韓国人俳優。「宮」のキム・サンヒョク、「コーヒープリンス1号店」のキム・ドンウクが出ていますが、なんとなく頼りない筋立て。ミュージシャンを志すキム・サンヒョクが、兄のケガ、それも、地上げ屋に腕をケガさせられ、それを機に菓子作りに戻ってきたり、末弟(キム・ドンウク)が、店の商標を使おうとして提訴したり、その決着をつけるのが、自作の菓子対決だったりと、なんか、わざとらしくて、頼りない。これだったら、家で、「復活」の続きを観ておけば良かったと、後悔してしまいました。
 映画が終わると、昼食をとり、そのあとはウォーキング。みなみ会館から、南西方向をエリアと定めて歩き出しました。細かなコースを記しますと、京都みなみ会館〜NTT西日本京都病院〜京都市南区総合庁舎〜十條天神橋〜吉祥院天満宮〜明吉寺〜日向地蔵〜吉祥院運動公園〜久世橋東詰〜京都中央卸売市場第二市場〜上鳥羽橋〜新道橋〜近鉄「上鳥羽口」駅というものでした。ただ、途中から大変な雨。どうも、雨降りとよく出会います。久世橋近くからは、もうはいているズボンも水浸し状態、靴の中にも水がしみ込んでくるという最悪の状態になりましたが、始めた以上は、2時間という時間をキープ。今回も、桂川に沿い南下するなんていう計画を立てながら、相変わらずの時間音痴。この雨のなか、帰りの交通機関も怪しいと思い、久世橋通には土地勘もあることから、それに沿って東に歩き、予想よりは早く上鳥羽に出ました。ちょっと懐かしい土地ということもあり、余計な寄り道をしたりして、無事に変わり果てた近鉄「上鳥羽口」駅に到着しました。
 家に帰って休憩後、夕方から落語会に出かけるつもりでした。実際、着替えもして、出がけにTVをつけると、「鶴瓶の家族に乾杯、台湾編」なんてのが始まり、咄嗟の判断でお出かけを中止にしました。結果的に、夜が空きましたので、息子と呑むことにしました。息子も、バイクのツーリングの約束が、雨で流れぶらぶらしておったのであります。




2009年 9月 12日(土)午前 0時 43分

 昨日、一昨日は、夜遊びがお休みで、自宅に直行。おまけに、たっぷりと睡眠。ほとんど何もしない間に、日が明けました。今日は、トルコから帰って、初めてワッハに行ってまいりました。「南湖だんご46〜旭堂南湖話術研究会〜」があったからです。この頃、ワッハ方面に行くときは、北浜経由日本橋に行き、駅上で食事をとり、途中のファミマで、繁昌亭やらの前売り券を買ってからのワッハ到着です。会場が取れなかったとかで、この会は、4ヶ月ぶりの公演となりました。恒例の近況報告は、ですから4ヶ月分ということですが、そうなると、奄美大島に日蝕を見に行った話となったのですが、日蝕だけが目的ではなく、ともに行われた、あののりぴーがいたというイベント目的なんてのもあったみたいと看ました。その話に次いで、ごく最近、朽木村であった同様のイベントにも参加してきたと言ってました。そういったうだうだから、最初の「黒田節の由来」へ。このネタは、つい最近、南舟の口演でも聴いたところですので、恐らく南湖も、入門間もない頃に覚えたものと思われます。話は、名槍が、著名な武人の手元を移動していく小ぶりのネタです。「黒田節」が終わっても、そのまま話し続ける南湖。なんせ一人舞台ですから、一席終わると、もう次のネタへの橋渡し的マクラに入ります。ここでは、大阪文化祭落選話、これも、3度目くらいかな。そして、次回の開催で、文化庁の芸術祭参加をするということの披露話へと移行しました。二つ目のネタは、この間、この会で読み続けてきたネタで、「藪井玄意3玄意と天王寺屋」。大阪に移った藪井玄意が、天王寺屋を診察したとき、金持ちの天王寺屋が、約束の治療代を支払わなかったために、玄意が奉行所に訴えるというところ。「藪井玄意」のシリーズ、ひょっとしたら今回がラストかもしれません。南湖が、ちょっと紹介してくれた内容だけでの判断ですが、クォリティーが、今日の部分以後は落ちるそうです。ここで、10分弱の休憩。再会後は、「赤穂義子伝13大石内蔵助」というものでした。ところが、この話がおもしろい。岡山の池田氏に生まれた後の内蔵助が、赤穂の大石家の当主に気に入られ、養子縁組みをしていくところまでです。冒頭には、利発な少年としても登場します。存外語られない大石内蔵助が大石内蔵助になる話で、抜き読みでも、今後は、どんどん披露してもらいたいネタと看ました。




2009年 9月 9日(水)午後 10時 57分

 トルコから帰ってからこの方、韓国ドラマ「別れの法則」を見ていました。トルコにいて、今回、一番悲しかったのは、韓国ドラマを見れなかったこと。この間、見ていた「別れの法則」は、「恋するハイエナ」で気に入ったキム・ミンジョンが出ているというので、チョイスした作品。ところが、第一話を終わったところで、肝心のキム・ミンジョンは、ほとんど出てこない。替わりに、童顔っぽい顔立ちが魅力のチェ・ガンヒが、やけに目立ち、周りを明るく、でも騒動の元だったりと、キム・ミンジョンを上回る活躍。とても魅力的な女優さんなので、慌ててネットで検索。「ありがとうございます」「酒の国」「あんぱん」「マイ スウィート ソウル」などに出演経験を持つ、とても人気のある女優さんだと知り、えらく納得。それなのに。黄紺は、この作品を見るまで、チェ・ガンヒを知らなかったのです。まだまだ、韓国ドラマに関しては知らないことが、たくさんあります。この二人の共演というだけで、えらくぜいたくな感じがしていますが、この二人を起用したわりには、内容がつまらない。きれいに四角関係を成立させているのは、一つのプラス点ではあるのですが、このドラマの売りである「別れの契約書」なるものに、魅力を感じない者には、筋立ては陳腐で退屈至極。「別れの契約書」に魅力を感じないのは、元恋人と踏ん切りをつけられない者の戯言、モラトリアム要請にしか見えない者には、つまらんのです。あとは、チェ・ガンヒの魅力に寄り添うことにより、なんとか最終回まで見ることができました。最後まで、このドラマは、「別れの契約書」に拘泥してましたが、後味はよろしくないですね。助演は、チェ・ガンヒ演じるキム・グニョンの最初の恋人ハン・ジェミンをシム・ジホが、また、頭の切れるいい女が、後半にはいじわるお姉さんになるソ・ヒウォンをキム・アジュンが演じてました。この二人のキャラの変化にも、ちょっとついていけなかったな。
 そして、今夜は、昨夜に続いて繁昌亭。一度行くと、繁昌亭は続くことがよくあります。今夜は、「新世紀落語の会10周年記念公演」がありました。今日は、記念の会でしたので、トリに、三枝を迎えるという番組構成で、昨日と違い、繁昌亭は満杯になりました。全体の番組は、三四郎「田中」、雀喜「ポイントカード」、小春団治「昭和遷都」、(中入り)、南海「講釈強盗・後藤一山」、三枝「メルチュウ一家」というものとなりました。「田中」は、同じ田中姓の友だちをたくさん持った男のところに、田中姓の電話が入り、どの田中か解らなくなり困ってしまい、田中姓の友だちの一人に相談を持ちかけるという噺。おもしろい着想のネタですが、田中姓を区別するために、「田中貧乏」とか「田中若禿」での区別。何度も繰り返されてしまうと、言葉の貧困を感じてしまい、あまりいい感じがしないですね。その辺を修正して欲しいところです。「ポイントカード」は、3度目になるかな。今日が、図抜けて受けたっていう印象です。マクラが上手かったですね。雑誌「ステラ」に掲載された「噺家を家庭に呼ぶ方法」の紹介。普通の家で落語会をするときのマニュアルです。淡々と、飾らず喋る雀喜の口調が、それこそ、そのまんまでおもしろそうな雑誌の話をするものですから、客席はえらく引き込まれてしまいました。これで、高座と客席の距離がぐっと縮まり、ネタが、とってもスムーズに進んだっていう感じでした。ラーメン屋が、ポイントカード出したりなんて部分、以前からありましたっけ? 「昭和遷都」は、狙いの小春団治作品だったのですが、実際に聴いてみると、存外、スケールの小さな噺でした。時代設定は、戦後間もない時期。遷都を指示するGHQの前で、新都受け入れに手を上げた大阪、高知、山形が、プレゼンを行うというのが、このネタの中心部。「後藤一山」は、以前、南海さんが、トリイホールで発表したものとは、全く別物。そして、落語との繋がり、落語の後日談として描くという点では、これでなくっちゃという代物になっていました。後藤一山は食い扶持を求めて街をさまよっているとき、背に腹は着せられぬということで、町屋に盗みに入るのですが、子どもと出会い、講釈を読んでごまかしたりなんてします。こんなのありそうやなという風体に改変、大成功です。「メルチュウ一家」は、一人暮らしをする父親が心配な息子は、父親に携帯を持たせ、かなりな時間をかけて、携帯の使い方を教えるのですが、逆に、父親の方が、メールに夢中になってしまうというもの。舞台の後ろの部分に、スクリーンを下ろし、メールの内容は、全部、そちらに写し出すという手法が採られました。いろいろと、おもしろい試みをしてくれるものです。




2009年 9月 9日(水)午前 3時 22分

 昨夜は、久しぶりに繁昌亭に行ってまいりました。この週末にありました彦八まつりを受け、「繁昌亭夜席〜彦八まつり、あとの祭り〜」と題された会があったからです。繁昌亭ができてから、今までなかった会です。出演者から、繁昌亭の裏話なんかが聞けるのではとの期待で覗いてみましたが、客の入りは、あまりよろしくはなかったのですが、その割りに常連客の顔が揃っていたなの印象でした。番組は、染太「コギャル婆ちゃん」、生喬「青空散髪」、遊方「例えば、こんな誕生日」、坊枝「ガマの油」、(中入り)、坊枝・遊方・生喬・染太「スライド上映・トーク・抽選会」、仁智「恐怖の民宿百物語」というものでした。出演者の内、染太と仁智以外の3人は、彦八まつりの実行委員を務めた噺家さんら。トークのときには、スライドを交えて、彦八まつりの表と裏の話を紹介してくれました。奉納落語会でのざこばの酔っ払いぶりの話に及ぶと、三味線の内海英華も加わりました。落語会にならなかったようです。土曜日の屋外ライブでは、大西ゆかりが、噺家バンドをバックに歌を歌ったそうで、満腹ブラザースが終わったところで帰ったのを悔いてしまいました。抽選会は、彦八まつりの残り物グッズが賞品として出されましたが、黄紺は、賞品をもらえなかった数少ない一人となってしまいました。落語の方は、新作が、多く並ぶということで、びっくり。染太や生喬というところまでが新作物を出しました。染太の作品は、コギャルが、そのまま婆さんになったらという落語的設定ですが、あまり長くは、ネタが持ちませんね。致し方ないかもしれません。「青空散髪」では、鏡を、自動車を使わず、池の水面を水鏡にしていました。遊方のネタは、客席に、バカ受け。このネタに当たると、ラッキーですね。同様なのが、坊枝、仁智と続きました。仁智は、電気ろうそくを用意し、照明を消しての口演。なかなか出会えなかったネタ。いつぞやの繁昌亭昼席以来の遭遇です。40分を超える高座となりました。なんか、えらいお得な会。来年も続けるそうです。もっと客が入ってくれれば、いいのですが。




2009年 9月 7日(月)午前 4時 28分

  門真市(3)〜守口市(4)〜大阪市旭区写真集

 昨日は、朝からお出かけでした。午後から予定を入れていましたので、ウォーキングをするなら、午前中しかなかったのです。出発点を、京阪「西三荘駅」として、一旦、門真市駅方向に行ってから、また守口市駅方向を目指し、一応、方向的には、天六を目指すつもりで出かけました。が、毎度のことながら、欲張った計画でした。最終的には、あとの行動を考えて、地下鉄の駅を目指しました。終点は、地下鉄谷町線の「千林大宮」となりました。その間の細かなコースを記すと、京阪「西三荘」駅〜専隆寺〜門真神社〜即念寺〜天神社〜門真市役所〜インド料理店「SAWARIYA」〜韓国エステ「オレンジハウス」〜守口市わかたけ園〜菊水橋跡〜大枝公園〜高瀬神社〜京阪「滝井」駅〜今市商店街(韓国食材店「高里庵」)〜千林商店街〜地下鉄谷町線「千林大宮」となります。思いがけない発見というものでは、門真神社周辺が、昔の集落の雰囲気を残していたことです。「西三荘」駅近くに、そのようなところがあるとは考えてもいませんでした。でも、ここでこんなであればと、今度は、こちらの目が変わっていきます。そういった意味でも、天神社界隈も、こちらを満足させてくれるものがありました。あと、大枝公園内の野球場が立派でしたし、同公園内にある相撲場では、恰幅のいい方が、実際にまわしを着けて、子どもたちを指導されている姿に、思わずシャッターを切ってしまいました。そして、言うまでもありませんが、千林商店街、及び、それに続く今市商店街の賑わいには納得のものがありました。
 ウォーキングが終わると、「千林大宮」駅近くで、お昼ご飯。そして、谷町線一本で、「四天王寺夕陽ヶ丘」駅へ移動。午後の部は、一心寺門前浪曲寄席9月公演に行きました。途中、お腹具合が思わしくなく、2度の途中降車、ゆとりをみていたはずですのに、到着は、開演5分前。とにかくきわどいものがありました。番組は、京山宗若「出世高虎」、春野ココ「お伽浪曲カチカチ山」、京山幸枝若「木津の勘助」、天中軒月子「佐倉宗五郎:最終別れ」というものでした。ウォーキングをして、食事、途中降車をして5分前到着、そして、ホッとして、心地よいクーラー、心地よい浪曲の節、これだけ条件が揃うと、いい気持ちになります。その次に訪れるのは、心地好い睡眠です。「出世高虎」は、筋立てをうまく捉えきれずにいると、うとうと。「木津の勘助」は、こりゃ講談の方がおもしろいやと思うと、うとうと。と言いますのも、いきなり勘助は結婚したところから始まり、ご飯ごしらえのできないお嬢様育ちの妻をネタにし、あとは、米相場に手を出し損を出した恩人に報いる話へと、抜き読みで再構成。現幸枝若の腕を見せるなら、結婚の経緯だろうにと思っても、浪曲じゃ、そうはなってないのでしょうね。結果的に、幸枝若のいいところが出ずじまいでしたね。そう思い始めると、あえなくダウン。「カチカチ山」は、終盤になってから、よく覚えてないのです。太宰の作品をベースにした浪曲です。狸を中年男、ウサギはうら若い乙女という設定で、狸が殺されるというのに、違った解釈をしたもの。いずれにせよ、女の執念は恐ろしいということになるのでしょうが、執念の基が弱いかも。本日の秀逸は、月子のたっぷりと語る姿勢。テンポを落として、しっかりと聴かせるという姿勢がいいですね。心に沁みる語るかのような節に、どんどんと引き込まれたのですが、筋立ては、別れを告げるだけと言ってもいい内容。「木津の勘助」でも感じた物語としての起伏の少なさを感じましたが、これが、浪曲というものかもしれません。ただ、月子師の違ったタイプの作品を聴いてみたくなりました。12月には、天中軒雲月を襲名されるそうです。聴きに行かなくっちゃと、今から思っております。
 今度は、地下鉄で「日本橋」へ移動。駅上のネットカフェで、ほぼ1時間、時間調整。午後5時からの劇団「鹿殺し」の公演を待ちました。「in→dependent theatre 2nd」での公演です。「赤とうがらし帝国」という芝居で、得意の歌・ダンスを入れたものでした。この劇団は、2回目ですが、味付けやパフォーマンスの派手さに比べて、芝居の筋立ては、むしろノスタルジックなものがあります。今回も、「赤とうがらし帝国」などという突飛な題を付けていますが、死んでも死ねない女タエの人生の物語で、彼女と出会った人間が、彼女の骨となりその体を作っているという言い方をしていますが、そういった人々が、一人の人間の思い出を形成し、関係性を積み上げながら一個の人間のアイデンティティを作り上げているんだという、考えてみれば、今や、改めて言わないといけないのと言わねばならない内容。だけど、言わないといけない時代なんだなと思わせられる一方、今更とも思ってしまいます。主宰者の菜月チョビの持つ個性というものが、ノスタルジックな芝居を作るのに適してるのでしょうか? 大阪弁のようで、そうじゃない言葉遣い、風貌などが、こういった芝居を成り立たせており、魅力を発揮しているように思えました。




2009年 9月 5日(土)午後 9時 55分

  門真市(2)&大阪市鶴見区写真集

 今日は、午前中は出勤。めいっぱい働きました。そして、職場の近くで、あっさりと昼ご飯。午前中の仕事疲れで、ちょっと心配な気持ちを持ちつつ、ウォーキングに向かいました。出発点を、京阪「古川橋」と定め、鶴見緑地方向を目指しました。細かな寄り道を含めて、コースを記しておきます。京阪「古川橋」駅〜八坂神社〜豊国神社〜寿大橋歩道橋〜北島大橋〜堤根神社御旅所〜上八箇荘水路〜三島神社〜三ッ島大橋〜堤根神社〜なみはやドーム〜古宮神社〜鶴見区役所〜地下鉄鶴見緑地線「横堤」駅というものになりました。今回、コース設定をしている中で、「古川橋」駅の「古川」っていうのは、本当に「古川橋」駅の近くを流れている川だと知りました。そこで、「鶴見緑地」方向を目指すなら、この「古川」沿いに南下してみようじゃないかと考えたのでした。次に、なみはやドーム近くに行って、びっくり。第2京阪国道と近畿自動車道とのジャンクションを造ろうとしているみたいなのです。もう、道がわかりません。工事関係の方に聞きながらのウォーキングとなりました。最後は、最近なじみになりました鶴見通を西進して、「横堤」駅に到着。出発点から、2時間3分の行程でした。今日は、とにかく暑く、かなりへばっちゃいました。一つには、午前中、ちょっと立ちっぱなし仕事が長かっものですから、ウォーキングを始める前から、疲れがたまっていたっていうのが痛かったのだと思います。
 「横堤」から「谷六」乗り換えで、「谷九」は、わりかし効率的な移動。簡単に、彦八まつりに行けました。今日は、夕方5時開演の奉納落語会を目指しました。開演2時間前から発売のチケットも、無事ゲット。整理番号170番でした。今日は、「アラフォーおんな落語会」と題して行われ、従って、出演者は、全員女性でした。番組は、笑子「道具屋」、春野恵子「浪曲:天狗の女房」、三扇「君よ、モーツァルトを聴け」、(中入り)、出演者全員「対談」、大西ゆかり「歌:薄墨ハートブレイク」、あやめ「私はおっさんにならない」というものでした。笑子の「道具屋」は初遭遇。店の前で、品物について教え、売り手はおばあさんという設定。「動物園」のときもそうだったのですが、ちょっと違和感の残る演出が、今回もありましたが、しゃべり口調が、めちゃくちゃ進歩。これなら、普通に落語をすればいいのにって思ってしまいました。浪曲は、三味線(一風亭初月)の音を、PAがうまくひらわず、最悪の音が流れてしまいました。うまく音を調節するスタッフがいなかったということですね。三扇が、三枝作品の中で、「モーツァルト」をよくかけているという情報は掴んではいたのですが、遭遇は、こちらも初めて。すごく魚屋のおばさんの雰囲気が出てますし、落ち着いてクラシック音楽を説く雰囲気もよく、場違いという感じを与えません。三枝が、これをかけると、三枝のうんちくと聞こえる部分があり、客は納得するのでしょうが、魚屋のおばさんが、天然っぽいっていうのが、いいのでしょうね。うんちくが、すごく自然に聞けてしまいました。ちょっと儲けた感じがします。後半は、大西ゆかりが入り、お笑い芸人顔負けトークで、大盛り上がり。それと、あやめが、春野恵子を騙して、今日の会に出演させ、且つ、噂のあやめ監督の映画に、八光の母親役で出させた話が、大受けでした。トリのあやめは、この日のためにあるようなネタで締めくくりました。
 奉納落語会夜の部が終わって外に出ると、雀三郎と満腹ブラザースのコンサートが行われていました。立ちんぼで、最後まで聴いていると、すっかりウォーキングの疲れが出てしまい、帰りの電車での立ちんぼがきつかったですね。




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