2012年 9月 8日(土)午後 11時 23分
4日連続勤務の3日目。睡眠時間は長くはないのですが、かなり深い眠りが、この2日は続いています。疲労がたまっているのでしょうね。そして、夜は芝居にお出かけ。初めて行くところでした。天王寺にある「ロクソドンタブラック」、名前は聞いてはいたのですが、今まで行く機会がありませんでした。今夜は、こちらで「テノヒラサイズ」の公演「泥の子と狭い家の物語」がありました。もっと大きなホールでの公演が持てる集客力のある劇団ですが、話の設定が、とっても狭い家に住む家族となっている関係で、こちらでの公演が企画されたのかなと勝手に考えています。ストーリーは、その狭い家に住む家族、中でも高校生の娘小豆が主人公。小豆の家に、ある日、悪魔が住み着いてしまう。悪魔は、小豆の母親を操り、父親は追い出されるは、同居している父親の弟と父親を仲違いさせるは、小さいときに亡くなった小豆の姉が、男の体に蘇ったと言っては、見知らない男を住まわせてしまうのですが、これは、母親が持っていた欲望であり、それまでは抑制していて表面化していなかった事柄でもあり、家族の持つ矛盾を表しているというものだったのです。実際に、家族が崩れていく姿を目の当たりにしていく小豆は、幼なじみのたっくんや、得たいの知れない猫おばさんの助けを借りて、悪魔に対峙していく中で、子どもから大人へと成長していく姿を描いていきます。変に突っ張っている小豆が、この家族の子どもという自覚を持つところが、悪魔に対峙する出版点になっています。その自覚を促したのが誰だったかなぁ? たっくん? 父親? 姉が宿った男? 思い出せないのです。自分の立ち位置が決まったら振り返らないのがいいですね、切迫感が出ていて、悪魔が退散したあと、元に戻った母親と普通に話せる娘になってるってことに説得力がありました。悪魔なんてものを出すというのは、ちょっと反則めいた見方をしてしまうものなのですが、母親の持つ一面と考えれば、ま、セーフに看ようかなというところです。この芝居の一番秀逸な点は、舞台の作りです。部屋の中央に置かれるテーブルと椅子のサイズで、部屋の中を行き来するのに、ちょっとした無理が求められるようにしてあって、部屋の狭さが解るようにしてあったり、部屋の外壁沿いに、すれ違いも困難を伴う狭い路地を作り、たっくんや猫おばさんのような、不思議な能力を持った人は、この路地を通らせます。これも、「狭い」を強調する点で、とってもグーな演出でした。
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