2013年 2月 9日(土)午前 0時 18分
今日は、冷たい冷たい一日。天気は良かったのですが、寒すぎました。おまけに非勤務日なのに、仕事が入ってしまい、いつも通りに出勤。半日だけの勤務でしたが、朝早く目覚ましをかけて起きなければならないのは辛い。午後からは、仕事のあるなしに関係なく予定していた文楽劇場での「公演記録鑑賞会」に行ってまいりました。今日、上映された映像は文楽で、「新版歌祭文」。ここで取り上げられる演目の一つの傾向として、近々の劇場公演演目があります。この「新版歌祭文」も、文楽劇場の4月公演の演目に上がっているものなのです。この「新版歌祭文」は、お染・久松の物語。ところが、今日もまたまたダウン。特に今日は、寝不足のうえ、かなりしっかりと身体を使って働いてかた行ったものですから、座席に着いた途端、ほとんど覚悟していたら、案の定でした。今日は、「野崎村の段」だけが上映されたのですが、有名な連れ弾きのところ(春団治の出囃子「野崎」の基)は、段を改めると思っていたのですが、「野崎村の段」の一番ラストに入っていました。いや、単なる黄紺の思い違いが修正できました。今日は、「婆付き」とか言って、通常の上演では省く部分が入っていたりで、貴重な記録だったようなので、情けないことになっちゃいました。切語りは住太夫さん。今でもすごいと思うのに、今日聴けた住太夫さんは、今より数倍すごいです。やはりお若い(20年前の公演)ですから、声の張り、勢いが、全然違い、表現の幅が途方もなく拡がっていました。ですからでしょうか、会場には、補助席まで出る盛況。4月公演の「新版歌祭文」の切り場は、源太夫、住太夫のお二方が分けて語られるそうです。おじいちゃん度が増しすぎている源太夫さんはともかくも、まだまだ元気な住太夫さんの20年後を聴けるのが楽しみになってきました。
文楽劇場を出ると、時間調整のため、千日前のネットカフェへ。いつも行く方じゃない方のネットカフェをチョイスです。それから、「淀屋橋」「中書島」経由で「桃山南口」への大移動。帰りが楽になる分、この大移動は大変。今夜は、こちらであった「ももやま亭」という落語会に行ってきました。実は、これ、先日、この会の出演者生喬さんの会で、希望者に招待券が提供されていたのをいただいたもので、おかげで行くチャンスに恵まれたのです。その番組は、次のようなものでした。呂好「寄合酒」、生喬「ピカソ」、(中入り)、生喬「鴻池の犬」。呂好は、久しぶりの遭遇。聴くたびに「寄合酒」のような気がします。これが、空間の広さを感じさせるいい高座。もっちゃり系の喋りもお手のもので、なかなかいいのです。他のネタも、また前座ネタ以外も聴いてみたいのですが、これが当たらないのです。大体、呂鶴一門は、ネタを増やさないのが困ったところ。生喬は、じっくりとマクラで暖めていくのが、とっても上手。人気の秘密の一つです。今日は、特注の扇子が、なかなか出来上がってこないことで、たっぷりとお喋りをしてくれました。そして、一つ目のネタが「ピカソ」でびっくり。こうした地域寄席でも出すのですね。「ピカソ」は、先代春蝶の作品。もちろん現春蝶や一門の許可を得ての口演。大阪芸大の油絵を出た生喬らしい美術に関する蘊蓄が詰まった一席でした。中入り明けは、ちょっと意外な感じのした「鴻池の犬」。ひょっとしたら、生喬の口演では、初めてかもしれません。これが、なかなかいいのです。生喬十八番に入れていいんじゃないかなぁ。特に序盤の犬を拾った家の旦さんの風格が気に入りました。噺がしまるというやつで、犬の世界の噺に入ってからも、位を保ち続けることのできる原動力になっていました。弟犬のか弱い語りにも説得力があったなぁ。ということで、とっても気に入った口演でした。通常の下げが気になってたんでしょうね、その気持ちは解ります。頼りない下げですものね。今日の生喬は、夫婦犬が仲裁を求めてきたところ、「夫婦喧嘩は犬も喰わぬ」を使い、仲裁を断って終わるというものでしたが、これも、なんか強制終了的な下げなんで、自分的にはのり切れません。何がいいのでしょうかね?
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